2020年09月02日 配信

道路部道路計画課課長の佐藤智洋さん(右)と課長補佐の九條宏和さん

9/2(水)「船橋市交通ビッグデータ見える化協議会」開催

安全で快適な道路環境を目指す

 船橋市役所(船橋市湊町2-10-25)で8月25日、「船橋市交通ビッグデータ見える化協議会」第1回会議が行われた。

 同協議会は今年6月29日に設立。国土交通省から提供されるビッグデータ(ETC2.0プローブデータ)等の交通ビッグデータを使用し、市内の交通状況の「見える化」を実施し、安全で快適な道路環境を目指している。

 市の人口は、2020(令和2)年3月には人口64万人を突破し、2035(令和17)年まで増加傾向が予想されているという。一方、昭和30年代の人口急増で都市基盤の整備が遅れたことから、幹線道路に交通が集中し、慢性的な渋滞が発生している。この状況は市として長年の懸案事項となっている。

 道路整備には時間を要することから、これまで車両や携帯電話などのGPSから得られるビッグデータを利用した効果的な交通渋滞対策について検討してきたが、今回、慢性的な渋滞の解消や生活道路における交通事故を削減するため、国土交通省から提供されるETC2.0プローブデータなどの交通ビッグデータを使用し、市内の交通状況を見える化することができた。これにより、国道や県道と並行する路線で速度低下が特に著しいことや、生活道路における急ブレーキ多発箇所がわかるなど、要因の見える化もでき、渋滞が起きやすい場所や事故が発生しやすい場所を把握することができたという。

 同協議会は渋滞対策をする「交通円滑化対策部会」と事故対策や交通安全対策をする「交通安全対策部会」とでそれぞれ個別に要因を分析し、直接現地を調査、対策立案するなど検討を進めている。今後はこの結果を基に、対策を強化していくエリアの選定や解決策の立案などを協議会で検討していくという。

 渋滞緩和については、交通シミュレーションシステムを使った検証を実施していく。安全対策については市の初の取り組みとして、道路・交通安全の専門家(学識経験者など)から交通事故に関する地域課題、対策案等の技術的なアドバイスを受ける。 

 今年度の同協議会は全3回を予定し、2回目を年明け、3回目を年度末に予定。内容については市ホームページで公表していく。同協議会で取りまとめられた対策は、今後の道路に係る計画や施策、事業などの方針を定める、現在策定中の「道路整備プログラム」に活用していくという。

 道路行政に携わり14年目になるという道路部道路計画課課長の佐藤智洋さんは「ビッグデータ入手までさまざまな苦労がありました」とここまでに至った経緯を振り返り、同課長補佐の九條宏和さんは「市内の渋滞緩和や交通安全について、少しでも推進できればと思います」と今後の流れに期待を寄せる。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 第1回会議の様子

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