2020年08月29日 配信

8/29(土)津田沼駅前の船橋前原商店会が「新型コロナウイルス勉強会」

保健所や船橋市役所とコラボで

 津田沼駅前の船橋市前原商店会が主催する「新型コロナウイルス勉強会」が8月27日、船橋市東部公民館(船橋市前原西2-21-21)4階の講堂で行われた。

 主催は、船橋市前原商店会。新型コロナウイルス感染症の蔓延による営業自粛や外出機会の減少などを受け、大きな影響を受けている商店会会員を中心とした地域の商店主らに対し、「いま何をすることができるんだろう。何をしてあげられたら喜んでもらえるのだろう」と同会副会長の速水さんが企画趣旨を説明。

 早い時期に商店会からの打診を受けていた船橋市保健所では「新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識を身に付けてもらい、感染症予防に寄与できれば」と講師を派遣した。

船橋市保健所衛生指導課

 保健所衛生指導課の田中春菜技士は、「コロナウイルス」と呼ばれる種類のウイルスはこれまで、「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や「MARS(中東呼吸器症候群)」などの深刻な呼吸器不全を引き起こすものに加え、「一般的な風邪」ウイルスとされてきたもの4種を合わせた6種類が確認されていたが今回の「コロナウイルス」は肺炎の原因として新たに特定されたと紹介。

 「これまでの事例から新型コロナウイルスに関してわかってきたことがある」と前置きし、伝播の方法は「飛沫感染」が主で、換気の悪い場所では咳やくしゃみをしていなくても感染すると考えられており、「接触感染」もあると紹介。

 また、潜伏期間は1~14日程度。発熱や咳・倦怠感・食欲低下・呼吸困難・痰・筋肉痛などの風邪に似た症状が確認されており、患者の8割は重症化せずに治癒するとみられているが2割弱の患者は肺炎を悪化させ、約5%はICU(集中治療室)に入り、2~3%が致命的だと紹介した。

 メディアなどで取り上げられる「濃厚接触者」についての定義を「患者と同居または長時間の接触があったものや適切な感染防護なしに患者を診察・介護したもの、患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性の高いもの、1メートル以内の距離で患者と15分以上の接触があったもの」と示した。

 感染症予防策として、適切な手洗い方法とマスクの着脱方法を紹介。店側の予防対策として来店客への周知方法や店内でのソーシャルディスタンスを保った接客方法、密にならない環境整備や清掃方法などについても紹介した。

 そのほか、高頻度接触がみられる箇所(イスの背もたれ、ドリンクサーバーやエレベーター、リモコン、マイクのボタンや手すりなど)の消毒方法を説明。適切な換気の方法についてもふれ、「2方向の窓を対角線上に開け、空気の流れを作る」「サーキュレーターを窓の外に向けて設置する」「換気は1時間に2回以上、数分程度行う」など現在の指針を示した。

 最後に、感染者が確認された場合に「保健所への報告、従業員への紹介、保健所の調査への協力、保健所から『濃厚接触者』とされた従業員の14日間の自宅待機、濃厚接触者とされた従業員が発熱や呼吸症状を発症した場合の感染症相談センターへの連絡」などを呼び掛けた。

 その上で、複数の感染者が発見され、保健所から「クラスター」として判断された場合についての対処を説明。利用者の特定ができない場合に店名を公表され利用者情報の収集をする場合がる事、営業停止処分などの必要はないが店舗内の消毒を求められるなどを公表した。

船橋市保健所地域保健課

 次に、地域保健課からの情報提供があり、冒頭に「新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生しても営業停止処分になる事はありません」と紹介。ただし、消毒を終えるまでの期間、濃厚接触者特定までの期間、従業員の感染者が多い場合、濃厚接触者となってしまって出勤できない場合などは「休業せざるを得ない場合がある」とした。

 そのため、有事の際に備えた準備や感染症対策が必要として、従業員の体調管理や利用客のリスト(予約表などの作成)を用意する事などを推奨した。

 また、消毒薬に関しては現状、アルコール60%以上の「エタノール」もしくは「次亜塩素酸ナトリウム」が効果的として、その次に現段階ではコロナウイルスへの効果が認められているとしている9種類の界面活性剤(家庭用洗剤)、次亜塩素酸水(拭き掃除の場合80ppm以上、生成装置からのかけ流し35ppm以上)も紹介した。

 界面活性剤の9種類は、以下のリンク先より保健所の紹介した検査機関「NITE」の界面活性剤リストから。同ページでは、メーカー側の検査でコロナウイルスの消毒に有効とされている家庭用洗剤がリストとして挙げられている。https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html

 この後、船橋市商工振興課から感染症対策を講じた店舗向けに配布しているステッカーの紹介、国や県、市で行っている新型コロナでの経済的な被害を受けた事業者に対する支援策の紹介などが行われた。

 8月末で締め切りの補助金や給付金ものもあることから同課の澤田さんは、各種相談窓口への相談や給付要件の確認などを呼び掛けた。

 最後に勉強会では、商店会会員向けに抗体検査キットを無料配布。希望する参加者らに対してはキットを割引購入できるよう配慮し、勉強会を締めくくった。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 船橋市の「感染防止対策取組事業所」ステッカーを紹介する市職員

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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