2020年07月22日 配信

ベビーブリッジ理事長の熊田さん

7/22(水)10代の妊婦と母子の命を守るための支援つきシェアハウス「かけはし」が市内に

全国から受け入れ可能、就労や自立の支援も

 市内に10代の妊婦と母子の命を守るための支援つきシェアハウス「かけはし」(船橋市習志野)が7月14日、オープンした。

 同所を開設したのは愛育レディースクリニックと同院のスタッフがコアメンバーとなって活動しているNPO法人「ベビーブリッジ」。同法人は2017年に設立、主に特別養子縁組を行ってきた。同法人の指針として「生まれてくる子どもの命を守る」「子どもを生む女性の心身を支える」「生まれてくる命が愛ある家庭で育ってもらいたい」「子どもと出会い、親子の愛を望まれるご夫妻へご縁を結ぶ」という4つの主な指針を示し、活動してきた。

 同シェアハウスを開設したきっかけは「新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校中、仕事をしている親が不在の中、生徒らが妊娠したケースが増えているとの情報が入ったことから」と同法人理事長の熊田ひとみさんは話す。ほかにも、「望まない妊娠をした方がわざわざ他県に一時的に移り住んで出産をしていたケースもあった。一人で住居の確保や引っ越しなど大変だったと思います。ベビーブリッジではそうした支援として『シェルター支援』もこれまでに行っていましたが、宣伝のようなことはあまりしていなかったため、彼女は支援のことを知る機会がなく大変な思いをしたと思う。今回シェアハウスとして設立することで、悩みを抱える多くの方に知っていただき、利用してもらえたら」とも続ける。

 同施設を利用できるのは、産前産後2カ月の10代、20代の望まない妊娠をした妊産婦。「ここで体が平常に戻るまでの期間を過ごしていただき、その期間に彼女たちが『自分の子どもを自分で育てたい』と決断し自立の方法を見つけるのか、どうしても難しい場合は養子縁組に出すのかを決める期間にしてもらいたい」と熊田さん。希望により滞在期間を延長できるという。

 ベビーブリッジではこうした若い女性からの、出産後の生活自立、就労支援のサポートも行ってきたことから、自治体から得られる支援制度の紹介、連携についてなどもサポートが可能となる。

 シェアハウスは14部屋が利用可能となり、各部屋にトイレが付く。15平方メートルの部屋と30平方メートルの2種類があり、広い方は室内にシャワー室も付く。部屋にはベッド、テレビなどの家電製品が備わり、身の回り品だけを持参すればすぐ生活を始められる。食事は共用キッチンがあり、冷蔵庫、IHヒーター、食器などを共用で使えるようになっているほか、テレビとソファがある共用リビングもある。

 利用料金は部屋の広さにより月額3万または5万円で家賃、共益費、高熱水道費を含む。低所得で家賃などが払えない入居者は、生活保護制度を利用してもらうこととなっている。家族の面会は、本人の同意があれば可能。

 熊田さんは「近くには産婦人科医もあるので、いろんな面でサポートできます。望まない妊娠をしてどうしたらいいかわからないで困っている女性に、どうか1人で悩まないでと伝えたい。ここではいろいろなアドバイスもできますのでまずは連絡をもらえたら。近隣の方だけでなく、全国どこからでも受け入れ可能です」と呼び掛けている。

 相談窓口はベビーブリッジ(TEL 090-8002-1108)まで。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 利用者が使用できる部屋の一例

  • 共用リビング

  • 共用キッチン

  • 館内には熊田さんお気に入りの絵画が多数飾られている

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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