2020年05月21日 配信

右から重兵衛農園の仲村学さん、ZUCCAMOの石井さん、重兵衛農園の仲村翔馬くん

5/21(木)規格外「ベーターキャロット」を冷凍可能な「にんじんポタージュ」で販売

北習志野「ZUCCAMO」と高根町「重兵衛農園」がタッグを組んで

 北習志野駅にある「キッシュと手作り惣菜の店 ZUCCAMO(ツッカーモ)」(船橋市西習志野3-26-8ファインコート北習志野1F、TEL047-466-2440)で、冷凍パウチした「船橋産ベーターキャロットのポタージュスープ:重兵衛&ZUCCAMO」の店頭販売を5月23日から開始する。

 同店の店主・石井眞砂美さんは食品開発に長年携わってきた人物で、現在もフリーランスで食品コンサルタントとして活躍している。2015年4月に東葉高速線・飯山満駅前でオープンした同店は、2018年から現在の場所で営業を続けている。

 種類豊富な自家製キッシュなどが看板メニューの同店ではテイクアウト商品も多く用意する。新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続くようになってからは、店頭でドライブスルーでの受け渡しに対応するなど、さまざまな工夫を凝らしてきた。

 古くから続く高根町の農家「重兵衛(じゅうべえ)農園」の仲村学さん一家は、同店が飯山満駅前にあったころからの常連客だという。石井さんとの付き合いが続き、現在は同店の店頭で重兵衛農園の野菜販売もするようになった。

 5月に入りニンジンの収穫シーズンとなったころ、重兵衛農園のインスタグラム(「重兵衛の嫁」@jyubeenoyome)を見た石井さんは、たくさんの人参が廃棄されてしまう現状、さらに今年は天候の影響から廃棄に回る数が多いということを知った。そこで仲村さんに「何かできないか」と相談を持ち掛けた。

 仲村さんの畑で育てているニンジンは、船橋のブランド野菜である「ベーターキャロット」。栽培の難しさから、市内農家でも現在「ベーターキャロット」を作っている農家は5件だけだという。

 畑を見学に行った石井さんは「ちょっとした傷やシミがあるだけ、割れただけで、スーパーなどへ出荷できないものがたくさん出てしまうのが本当に残念でなりませんでした」と話す。また仲村さんは「ベーターキャロットは本当においしいニンジンですが、二股に分かれやすいだけでなく、長さが伸びやすい品種で、スーパーに並べられる企画をすぐに超えてしまう」と打ち明ける。

 そこで、石井さんは「私の本業は、工場で作るような総菜などの開発。なんとかこのニンジンを捨てずに済む方法はないか」と、工場ラインで作れるポタージュスープを開発した。「冬には重兵衛農園さんのカブを使った『カブのポタージュ』を作っていたこともあったので、応用が利いた」と石井さん。

 スープは1食分をパウチし、冷凍保存できるようにする。製造工場は石井さんと元々取り引きがある「東洋食彩」(船橋市習志野4-10-4)で製造し、まずは1000食分を作るという。「ニンジンの収穫が今月末には終わってしまうということで、作るところまでは急ピッチですが販売先は全く決まっていません。もちろんお店で販売はする予定ですけどね」と石井さん。

 また、完成したポタージュについて「このニンジンのポテンシャルが本当に高くて、味付けがいらないくらい。ベーターキャロットと生クリーム、ほんの少しの香味野菜に味付けは塩のみという、素材の持つ力を生かした商品ができました。添加物、化学調味料は一切使っていません」と石井さん。

 重兵衛農園の仲村さんは「こうして廃棄になってしまうニンジンを石井さんが使ってくださるのは本当にありがたいこと。おいしいニンジンをさらにおいしくしていただいてうれしい。でも私たちが今の畑の3倍くらいあるような大きな農業をやっていたら、こうした取り組みは『割に合わない』と判断せざるを得ず、実現できなかったかもしれない。ちっぽけな農家だからこそ動きやすい部分もあるのがよかった」と話す。

 石井さんは「冷たい牛乳で割れば、これからの季節にぴったりの冷製スープとして召し上がっていただけます」とも。

 販売は5月23日から「ZUCCAMO」店頭、および通信販売にも応じる。1000食限定で、1食(180g・400円)。賞味期限は1年間で、2021年5月21日となる。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 商品パッケージ

  • 仲村さんの畑で

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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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