2020年05月19日 配信

5/18(月)旭町の若手農家が就労継続支援B型事業所「とまと」

農福連携事業としてトマト栽培など手掛ける

 船橋市内でトマト農家を営む青年・竹之内幹也さん(28)が農福連携事業として就労継続支援B型事業所「とまと」(船橋市旭町2-6-19、TEL047-430-7557)を開設、5月1日から事業を開始している。

 現在は自宅の一角にある納屋の中に事務所を間借り。作業は農園で行っている。同作業所の定員は最大20人。現在のところ利用者は4人。作業をフォローするスタッフは、知人のつてで知り合いの女性3人が開業のタイミングに合流してくれたのだという。

 竹之内さんは、高校卒業後市内の企業に就職、社会経験を積み、21歳で実家に戻り就農。一から農業を身に付けていったが「このままじゃ農業は稼げなくって大変なだけの仕事になってしまう。そういう常識も覆したい」と考えるようになったという。

 就農後、縁あって障がい者の受け入れをした際、思ったように作業を教えられず「どの工程の作業であればやりやすいだろう」と考えた。作業工程を細かく分解、障がいを持っている人にも作業をしやすい方法を確立した。

 数年の間、福祉事業所を通して農作業を教えていく内に、「自身で作業所を開設して、自分で仕事を教えてみたい」と考えるようになり、農作業をメインに行う農福連携の就労継続支援B型事業会社として共進株式会社を設立。

 現在利用者が担当している作業は、ミニトマトやトマトが結実するのを促すために花にスプレーをする作業や枝豆、きゅうりなどの栽培に関する単純だが丁寧な仕事が要求される工程。今後は、自分たちで栽培した野菜の販売や調理したものを提供したり販売することも視野に入れているという。

 竹之内さんは、「次はグループホームも事業化する予定。現在は、馬込霊園近くに新築で作業所を建設中なのでそこを直売所としても活用していこうと考えています。いずれは農家レストランや農園カフェなども開業したい」と、夢を話す。

 並行して26歳の時に仲間の農家4人で休耕地を借り上げて立ち上げた「ネギ栽培」の事業も上々の進捗状況だという。「農家は父の代が代表で、息子世代は小遣い銭くらいで生活している例が多いので自分たちで稼ぐ方法を生み出したかった」ときっかけを語る。

 ネギ栽培で利益が出たことで仲間たちも、「次はうちの畑にも利用者さん連れてきてくれ」と積極的に福祉事業にも興味を見せるようになってきたという。現在栽培しているトマトのB級品や規格外を利用してトマトベースのピザソースをつくったり、バジルの栽培をすることで焼き立てピザを提供していくなどの計画も持っている。

 「自分たちが実際に食べるものを仲間内や知り合いに販売するのだから安心安全でおいしいものを提供したい。自分たちにはそういうものをつくれる力があるのだから、農家同士で協力し合い、障がいを持った人たちとも協力し合って稼げる農家を増やしていきたい」と力強く語った。

 問合せ先は、TEL047-430-7557(共進株式会社)。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 単純だけど、丁寧さが要求される仕事

  • 利用者らが育てた野菜は昼の弁当として提供される

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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