2020年04月16日 配信

貝殻島で公演する「THE NUGGETS」

4/16(木)大穴出身のバンド「THE NUGGETS」が貝殻島でのライブを動画配信

4月3日のライブ中止を受け「究極の隔離」を実現

 市内・大穴で育ったメンバーで構成されるロックンロールバンド「THE NUGGETS(ザ・ナゲッツ)が4月3日、YouTubeで「究極のアイソレーション」と題したライブを配信。そのライブ会場となったのは三番瀬に干潮時だけに現れる貝殻島だった。

 同バンドは今年2月から3月上旬にかけてオーストラリア、マレーシア、インド、エジプト、スペインなど世界6カ国を巡るライブツアーを開催してきた。その集大成として4月3日、地元である船橋市勤労市民センター(船橋市本町)のホールで「THE NUGGETS 特別単独公演『唯一無知』」を公演予定だった。

 しかし新型コロナウイルスの感染拡大防止を考慮し、同公演の中止を決定。そのころから同バンドのチーム内で「誰にも迷惑をかけず、予想できないような面白い方法で。なにかエビバデ(皆さん)があっと驚くような仕掛けを作ろう」と動き出したと関係者は話す。

 チームでアイデアを出し合った結果、「そこまで世間が、隔離、隔離と言うのであれば、『究極の隔離』を見せてやろう」ということから無人島ライブを思いいたと振り返る。さらに、メンバーが昔、船橋の漁師に連れて行ってもらった干潮時だけに現れる貝殻島を思い出し、「貝殻島でパフォーマンスをしよう!」というアイデアにたどり着いたのだという。

 しかし同バンドでは以前からクラウドファンディングや有料配信は行わないというバンドの確固たる方針があったため、配信は同バンドのYouTubeチャンネルで無料で行った。

 配信は元々の公演日である4月3日の20時から約1時間、生配信された。視聴数は約230人ほどで、コメント欄には「おかえり!」「ナゲッツはデカい事やらかしてくれると信じてた!」などメンバーへの投げかけが多く寄せられた。「想像をしていた以上のエビバデに配信をご覧頂いて本当に驚いたのが正直なところです」と工藤さん。

 同バンドフロントマンの工藤わたるさんは「こんなに馬鹿で、しかも急遽のアイデアに賛同してくれる人は多くありませんでした。が、船橋の人情溢れる音響屋さん、照明屋さん、撮影隊もフルに人員をまわしてくださり、スタッフや機材搬入用の船も驚くほど協力してくださいました」と話す。

 「公演のチケットの払い戻しもしていて、予算もなかったことが何より1番大変でした。ですが、こんな時だからこそ、塞ぎ込んだ世の中を笑わせたいという一心でとにかく必死に味方をかき集めました」とも。

 動画配信のエンドロールにはメンバーからのメッセージが流され、そこには、同バンドも予定されていた仕事がほぼ全てキャンセルとなったこと、膨大な金額の損失、白紙になった案件など、失ったものがたくさんあることを明かした。しかし、「誰もが悲しみと憂いに暮れるその中でも、誰かのささやかな光でありたい」とも綴り、「この困難を乗り越えて、必ずまたどこかでお会いしましょう」と締めた。

 実際に貝殻島でパフォーマンスをしてみたことについては、「海のど真ん中で誰にも迷惑をかけず、パフォーマンスができたことはこれまでにないほど最高に気持ちが良かった。遠くに灯された夜の船橋の街明かりが、ナゲッツを見守っているようで思ったよりも心細くなかった」と工藤さん。

 「なによりも、協力くださった皆様がいなければ何一つ実現できなかったので、船橋ならではの人情味には改めて感動しました」と地元船橋について話した。

 同バンドは、CDや配信よりも「生」で観るエンターテイメントという点にこだわりを持ち続けてきたバンド。そのため今回の配信も「柄に合わない」と思っていたのだという。

 工藤さんは「『まあ100人くらい観てればいいよな』だったのですが、想像を遥かに超えるエビバデが視聴頂き、コメントもあとで拝見し、その言葉の数々に思わず涙してしまいました」と明かす。

 また、配信については「どんな形のエンターテイメントも最後は必ずオーディエンス(観客)が完成させるものだと思います。今回の企画もエビバデなくして成立しなかったなとしみじみ実感させて頂きました。今後も一貫してバンドとしては『生』にこだわり続けますが、こういった状況の中でどデカく面白いことをやる上では、配信という手段もひとつ視野に入れることができました」と前向きに捉えた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 動画配信からのワンシーン

  • ドローンを使った撮影。動画配信から

  • 同バンド、フロントマンの工藤わたるさん。動画配信から

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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