2020年03月24日 配信

左から店主の栗原聖さん、裕子さん

3/24(火)津田沼の蕎麦店「つだぬまや」で子ども食堂開催へ

フードロス対策の一環としてできることを

 JR津田沼駅北口から徒歩5分ほどの住宅地にある会席料理も提供する手打ち蕎麦の店「つだぬまや」(船橋市前原西2-5-6、TEL 047-407-4158)で3月31日、「つだぬまやこども食堂」をプレオープンする。

 同店はこの地域で2014(平成24)年12月にオープン。店主の栗原聖さんは蕎麦に携わって約13年。その前には板前として22年の職歴を持つ。その腕を生かし、手打ち蕎麦だけでなく夜のみ会席料理も提供。店内には座敷席もあり、子連れで来店する客も多いため、店内には子ども向けの本やちょっとした玩具なども用意している。

 31日は火曜日で、通常、夜は定休としているが、この日は「こども食堂」として店を開ける。プレオープンとする初回は、近所の八百屋から寄付してもらった野菜、「フードバンクふなばし」からの食材を使ってカレーを提供する予定。食器も食器メーカーから寄付してもらった子ども用食器などを使用する。

 子ども食堂開催へのきっかけは「昨年のとある日、来店客の胸についていたSDGsバッジを見て」と店主の妻・裕子さんは振り返る。「このカラフルなバッジは何か?とお客様に尋ねたら、SDGsという取り組みが世界的に行われていることを知り、その内容に衝撃を受けました。その翌々日、たまたま『SDGsボードゲーム』というイベントがあることを知り、参加したんです。そこでフードロスなど世の中に起きているさまざまな問題を知り、ものごとに対する意識が変わりました」と裕子さん。

 SDGs(エスディージーズ)とは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のこと。17のゴールと169のターゲットからなる国際社会共通の目標である。

 その後は自店でできるフードロス対策とし、「付け合わせ不要」の札を提示した人や「少なめに」と申し出た人、残さず完食した人には会計時に下一桁をサービスするという取り組みを導入。裕子さんによると「多くのお客さまが賛同してくださり、食材のロスも目に見えて少なくなってきた」とその効果を話す。

 さらに、どうすればもっと食料廃棄を減らせるかを調べた裕子さんは、廃棄される食品・食材を集め、子育て支援団体などに無償で届けている「フードバンクふなばし」の存在を知った。店の定休日前に残ってしまった生蕎麦を提供できないか相談したところ、生蕎麦を預けることはひと手間かかってしまうことが分かり、それであれば、自店で何か別のことをしたほうがいいのではないかと考えるようになったという。

 そんな折、裕子さんがアルバイトスタッフの1人と話をしていたら、大学でSDGsを学んだこと、その流れから「子ども食堂」というものがあることを知った裕子さん。そこで、自店で子ども食堂を開催することでフードロスの減少に貢献できるのではないかとも考え、同フードバンクから「ふなばし子ども食堂ネットワーク」の紹介を受けたのだという。

 同ネットワークに相談をすると、すぐに「支援チーム」と呼ばれる立ち上げサポートチームが来店。「支援チームの2人が実際にお店に来てくださって、ご自身の経験などからいろいろとアドバイスをいただきました」と裕子さん。

 さらに同店のスタッフには楽器ができるスタッフや保育士だったスタッフもいて、「みんなが自分のスキルを何か役立てられないか?」と自発的に案を出し、今回のプレオープンでは、元保育士として勤務していたスタッフが絵本の読み聞かせをすることとなった。栗原さん夫妻は、「最近、楽器演奏ができるスタッフの指導の下、2人でトランペットを習い始めたんです」とはにかむ。「いつかお店でちょっとした演奏会みたいなこともできれば」と夢を打ち明ける。

 「子ども食堂をやる!と決めてから、地域のいろんな方にサポートいただいて、より地域のみなさんと関わりを持つことができました」と裕子さん。「せっかくこの場所があるので、みなさんにいろいろと使っていただけたらうれしいです。子ども食堂開催前の時間などに、ボランティアや趣味で、何かみなさんにお稽古などしてくださる方がいたら、ぜひお声掛けいただきたいです。地域のみなさまと一緒に、笑顔の交流ができることを願っています」とも続けた。

 31日の開催時間は16時~絵本読み聞かせ、17時~19時が食事タイム。料金は子ども無料、大人同伴の場合は300円、大人のみ500円。新型コロナウイルスの対策として店頭入り口では来店客に手指の除菌スプレーの塗布を依頼、子ども食堂参加者には氏名、住所などを予め記入してもらうことで参加者を特定できる対策を取っている。事前予約ができ、30日までに申し込んだ場合はチケットが発券される。当日来店での参加も可。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 店頭で配布している「こども食堂プレオープン」を知らせるチラシ

  • 店舗入り口にはスロープも設置している

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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