2020年03月21日 配信

常連客からも名残を惜しむ声が多数上がる

3/21(土)山口横丁の本町 轟が3月末で閉店へ

地元千葉県産の食材・地酒を提供する店として15年

 船橋駅南口の繁華街「山口横丁」で15年間営業を続けてきた地元千葉県内の食材や地酒を扱う居酒屋「本町轟(とどろき)」(船橋市本町4-39-5、TEL047-424-8680)が3月末で閉店するとSNS上で話題になっている。

 同店は、古紙回収・有価物回収事業の「リーガルサービス」(南海神1-5-19)が経営する飲食部門。飲食店経営の経験も持っている同社代表の中野さんが「地元の網元が獲った魚を扱う店」として2005年3月3日に開店。

 開店当初は、船橋漁港のスズキ漁の網元「大平丸」の協力を得て、漁の様子や船、漁師の写真を大きなパネルで展示していたため漁師が経営する店と思われるほどだったという。

 その日あがった魚を新鮮な状態で提供「地元の魚をおいしく食べられる店」と、口コミで繁盛した。

 現店長の中山雄一さんは開店当時、寿司職人として修業中の身だったが中野さんに見込まれ21歳の若さで同店に合流。間もなく店長を引き継いだ。

 「船橋だけでなく千葉県内の農水産物、地酒を扱う店にしたい」と、休みの日になると趣味のツーリングを兼ね、時には家族旅行を兼ね、房総半島を回り生産者を訪ね歩くようになった。

 地道に訪問を積み重ねていき、船橋の漁師・農家に加え、銚子のキャベツ、多古町の三元豚、香取市佐原の水郷赤鶏、成田市三里塚や勝浦の生産者…と、県内中心に茨城県や遠くは静岡県まで食材の仕入れ先は広がっていった。

 県内中心に幅広くそろえる地酒も蔵元を一軒一軒訪ね歩き開拓。独自に蔵元マップや地酒を紹介するメニュー・ポップを作成、実際に見て・感じてきた経験から蔵元やその地域を紹介し、地酒と地の食材、地の料理を提供するスタイルを定着させていった。

 北総エリアで「窪田酒造」「飯沼本家」「旭鶴」、水郷エリアとして「寺田本家」「鍋店」「馬場本店」「東薫酒造」、銚子エリアで「小林酒造場」「石上酒造」、九十九里エリアで「寒菊銘醸」「守屋酒造」。

 南総エリアで「稲花酒造」「木戸泉酒造」「岩瀬酒造」「東灘酒造」「藤平酒造」「亀田酒造」、上総エリアで「和蔵酒造」「小泉酒造」など仕入れ先が広がると同時に人間関係も広がっていった。

 酒税法がかわるタイミングで県内にクラフトビールの醸造所が増えると、すぐに県内の作り手を訪問、仕入れ先を確保し、店で提供するようにした。

 生産者の「思い」と「こだわり」に共感し、その思いを表現する「場」として店を位置づけ、これに合わせた料理を提供するスタイルに熱烈なファンがつき、予約をしなければなかなか入れない店としても定着してきたところに閉店の話。

 話を聞きつけた常連客からは「新型コロナの影響、この店は受けないよね?なんで閉店?」と聞かれる程だという。

 「まもなく店の賃貸契約満了なんです。それに合わせ、冷蔵庫などの機材故障やスタッフ体調不良なども重なり3月末での閉店を決めました」と中山さん。

 閉店後は、営業職としての就職が決まっている中山さん。「今までは酒を通じての接客。今度は素面(しらふ)のお客さんを接客する仕事。自分のこれまでの経験を活かして新しいチャレンジをしてみます」とすっきりした表情で話す。「飲食の仕事は好きなので、何年か何十年か先に営業の経験を活かして自分の店を持ちますよ」とも。

 同店の最終営業日は3月31日。月内は定休日以外、休まず営業するという。

 営業時間は、17時~23時30分(平日)、16時~23時(土曜)。日曜定休。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 飲食店激戦区の山口横丁で15年

  • 千葉県産の食材や地酒を紹介するメニュー

  • 県内産だけでなく、幅広く酒をそろえる

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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