2020年03月01日 配信

メディカルスポーツプラザで練習をする木村さん

3/1(日)船橋在住の木村尚希さんが第10回ダウン症世界水泳選手権出場へ

3月末からトルコで開催の「ダウン症のオリンピック」に出場

 船橋市在住の木村尚希さん(22)が、3月31日からトルコ・アンタルヤで開催される「第2回ダウン症総合大会兼第10回ダウン症世界水泳選手権」に出場することが分かった。

 木村さんは、法典小学校、旭中学校、船橋特別支援学校を卒業。現在は八千代市のクリーニング業を営む事業所に勤務しながら、市内のスポーツクラブ「メディカルスポーツプラザ」(船橋市丸山4-52-10、TEL047-439-0051)で毎週土曜日と平日を合わせて週2〜3日、世界水泳選手権のための練習に充てている。木村さんが出場する予定の種目は、50m自由形、50mバタフライ、100m自由形の3種目だ。

 世界水泳選手権大会は2年に1度開催され、今回で10回目を迎える。2016年からは水泳以外の陸上、体操、フットサル、テニス、卓球、柔道を含めた総合大会として4年に1度開催され、今回は総合大会としては第2回大会となり、この大会は「ダウン症のオリンピック」とも呼ばれている。

 船橋市水泳協会副理事長・山崎正隆さんは「『ダウン症のオリンピック』とも言われる世界大会が存在すること、障がいをもった人たちを受け入れてくれるスイミングスクールがあることをもっと広く知ってもらいたい。広く知ってもらうことで、いろんな支援を受けられるようになる思う」と話す。

 木村さんが水泳を始めたのは、小学4年生の時。3歳年下の弟が同所でスイミングを始め、その練習を見ていた木村さんが母親に「僕もやりたい」と言ったことがきっかけだという。

 小学6年生までは、健常の子どもたちと同じクラスで練習していたが、中学生になったタイミングで谷宗治コーチが担当する知的障がいをもつ子どもや大人が所属する「ひまわりクラス」へと移った。練習を続けていくうちに、瞬く間に上達していったという。

 谷コーチは「速く泳げるようにしてあげたいということはありますが、水泳を通して基礎体力の向上や社会へ出るための自立への手助けになってくれればと思っています。どんなお子さんでも、根気よく続ければできるようになると信じてコーチしています」と熱く話す。

 「木村さんが世界水泳選手権への出場を決めてからは、木村さんの行動が変わってきた」と他のコーチからも言われている、と谷コーチ。「目標を持つということがモチベーションを上げているのでは」とメディカルスポーツプラザ代表取締役・德田孝康さんは話す。

 木村さんは「水泳は好きです、金メダルを取りたい」と意欲をみせる一方で、「笑顔の天使」らしく「練習は大変だからしなくてもいい」と言って周囲の人を笑わせ、和ませた。

 徳田さんは続けて、こうも話す。「本人の努力、家族や周りの協力があって達成できたことだが、障がいがあっても目標をたてれば達成できということ、障がいを持った人たちが活躍できる場があるということを広く知ってもらうことが大切だ」とも。谷コーチは「世界選手権では、順位も大切だが、大舞台を経験し楽しんできて欲しい」と木村さんにエールを送った。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • バタフライの練習をする木村さん

  • ひまわりクラスのみなさんと(左から2番目木村さん、右端、谷コーチ)

  • 谷コーチとボードを使った基本練習

  • 手足にフィンをつけスピード感や身体の使い方を養う

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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