2020年02月28日 配信

美術画廊担当マネージャーの関秀輔さん

2/28(金)船橋東武で「コシノジュンコ アートの世界」

百貨店では初開催

 東武百貨店船橋店(船橋市本町7-1-1、TEL 047-425-2211)5階の美術画廊で2月27日から、百貨店では初めてとなる「コシノジュンコ アートの世界」が開催されている。

 モードファッション界を牽引する巨匠コシノジュンコ氏。日本の伝統美が育んできた「対極の美」をコンセプトに、ライフスタイルとアートの融合を目指した作品を展示している。

 まず目を引くのが、入り口右手に飾られている着物。水墨画から着想を得て2018年に制作され、パリ装飾美術館「ジャポニスムの150年」や京都国立博物館「琳派京を彩る」特別展で発表した「墨流しの着物」。1作目の展示用は、現在、京都府に収蔵されている。本展では、コシノジュンコさん自身が昨年10月22日「即位礼正殿の儀」の際に着用した、自身用の2作目の作品を展示している。

 中に入ると左手に緑の「漆塗りの切溜」、右手の黒の「漆塗りの入れ子」のオブジェが目を引く。水墨画の白と黒、漆器の赤と黒、琳派絵画の金と黒から着想を得たというシンプルな2色の組み合わせ。その融合が生み出す多様なイメージで、コシノさんが新たにデザインした、日本古来の着物、磁器、漆器、絵画などが並ぶ。

 コシノさんはモードからモードプラス日本の伝統美へシフトしているという。その流れの中で、食器、漆器、絵画、着物などへデザインの幅を広げ、デザインした陶器や食器をホテルに収めてもいる。有田焼に着目し、アートプレートを作ることや、絵も描き、どんどん新しい挑戦を続けているという。

 さらに、従来、漆器は赤と黒がメインだが、コシノさんは黒と緑の対比で見せている。漆器をグリーンで表現するのは斬新な珍しいもので、これからも断続的に新しいものを発表していくという。コシノさんには日本人の住まいの空間をより豊かでモダンで日本的な美しさを持っているものに変えていきたいという思いがある。

 同店美術画廊担当マネージャーの関秀輔さんは「コシノさんが考えている日本の美の形は通常の美術の概念を覆すような斬新なスタイルなので、美術界に新しい流れを作ってくれる第一歩だと思います。皆さまにそれを楽しんでいただければと思っております」と話す。「漆塗り以外は今年から取り組んでいるもので、一般の披露は初開催になります。船橋東武を皮切りに全国へ展開してく予定とのことです」とも。

 今回同作品展のために書き下ろされたもので、シルクスクリーン版画も最初に刷られたナンバー1のものが展示されている。着物以外はすべて販売が可能。3月4日まで。同店2階~7階の営業時間は10時30分~19時(※2月20日から営業時間を変更している)。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 右手にあるのが「墨流しの着物」

  • 「墨流しの着物」から着想したストール

  • 「墨流しの着物」から着想した陶額

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