2020年02月13日 配信

イスラエルにある樹齢2000年のオリーブの木を解説する小暮シェフ

2/13(木)商工振興課がインバウンド対策セミナー

船橋出身の小暮シェフを招いてムスリム対応を中心に

 船橋市役所職員研修所(船橋市湊町2-6-10)の601研修室で2月12日、「インバウンド対策セミナー」が開催された。

 同セミナーを主催したのは、船橋市商工振興課ふなばし観光・ブランド創造室。「2020東京オリンピック・パラリンピック」が開催されるにあたり、今年は多くの外国人観光客の来日が想定されることから、訪日旅行客受け入れ環境整備の一環として同セミナーが企画された。

 講師には、船橋市出身のシェフで、日本全国に加え、海外95カ国以上で腕を振るう「トラベリングシェフ」こと小暮剛(こぐれつよし)さんが務めた。同セミナーの参加対象者は、飲食店や小売店の事業者、観光関連事業者のほか、インバウンドに興味を持っている人なら誰でも参加可能なものとなっており、当日は約15人の参加者が集まった。

 同セミナーのテーマは「ムスリム対応、今すぐできるおもてなしとは?」。ムスリムとはイスラム教徒のこと。イスラム教徒は、戒律によって食べてはいけないものがある。食べてはいけないものに、酒と豚肉があり、日本では味噌汁などにも発酵過程でアルコール分が含まれ、豚肉はさまざまな料理に使われているなど、ムスリムの戒律に反する食事が多い。また、ムスリムの人たちが食べられる食事のことを「ハラールフード」と呼び、そうした食事を提供していることを示す「ハラール認証」というものも存在する。

 そのような中、「イスラム教徒が来店した場合、どう対応したらいいのか?」という疑問を持つ飲食店事業者も少なくない。当日は飲食店事業者の参加が見込まれていたが、同セミナーに集まったのは「ムスリムの友人を自宅に招くのに、どうしたらいいか興味があった」という女性や、「看板などに、ハラール認証のマークを入れるのはどうしたらいいのか」という疑問を持った市内在住のグラフィックデザイナーなどが集まり、セミナー内で小暮さんが「飲食店をされている方はいらっしゃいますか?」の問いには挙手はなかった。

 小暮さんは、イランやエジプトなどムスリムの人が住む国での経験談を交えながら、ムスリムの人たちが食べている食事についてや、小暮さんが実際に日本で目にしたムスリムの人たちの日本の飲食店での行動などについても話した。

 小倉さんは「ある日、来日したムスリムの人たちが天丼チェーン店で天丼を食べていた。天丼には、みりんや酒などが使われているため、ムスリムが摂取してはいけないとされる酒が含まれ、厳密にいえば戒律に反することになる。でも宗教なので、どこまでを良しとするかを決めるのはその人の心が決めること。特に旅行では、行った先の現地の食事を食べてみたいと思っているだろう。迎える側は、いつも通りのおもてなしをすればいい。豚肉とお酒に関しては、『この料理には豚肉入ってるよ』とか『これは梅酒っていうんだけど、ちょっとお酒が入ってるよ』と言ってあげ、それを食べるかどうかは本人の判断に任せるのがいい」と話した。また、ハラール認証の看板に入っているマークについては、「あれは協会ビジネスであるため、マークを取得するのにお金がかかる」と説明があった。

 セミナーの後半には、リクルートライフスタイルのエリアプロデューサー坪内克徳さんが「千葉おもてなしSHOPガイド」を紹介した。同ガイドは、すでに公開されているウェブサイトで、14カ国語(英語、フランス語、スペイン語、タイ語、韓国語、ロシア語、アラビア語など)での店舗検索ができるサイトになっている。日本語で店舗登録をすると、自動で多言語メニューの作成、多言語での店舗紹介ページが作成されるというもの。「無料で登録でき、多言語メニューまで作れるので、ぜひ飲食店、小売店などのみなさまに活用していただきたい」と坪内さんはサイトを紹介した。「今は千葉と船橋の店舗紹介だけとなっているが、今後は習志野や浦安などの店舗紹介も入ってくる予定」とも。

 ガイドへの登録は、インターネットを介しての登録のほか、郵送やFAXでも受け付ける。「船橋の場合は、商工振興課のみなさんの協力により登録を代行してもらえる場合もあるので、まずは電話で問い合わせを」とも説明があった。

関連サイト「千葉おもてなしSHOPガイド」:
https://omotenashi-chiba.net/index.php?lang=jp

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 現地での写真を交えてムスリムを紹介した

  • 「千葉おもてなしSHOPガイド」の紹介

  • 小暮さんがおすすめするオリーブオイルの食べ比べも

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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