2020年02月06日 配信

店内に設置された石臼

2/6(木)馬込霊園近くの石材店に「石和カフェ」

石臼で挽くコーヒーをメインに

 馬込霊園入り口近くに建つ石材店「石和(いしかず)石材」(船橋市馬込町1193、TEL 047-438-5330)の店内に、1月下旬から密かに「石和カフェ」がオープンしている。

 同社は1927(昭和2)年に現在の海神1丁目で創業した老舗の石材店。現在の代表は4代目となる金子和哉さん。墓石販売、石材工事などをメインにしているが、「最近は店の前の(馬込霊園に続く)道があまりにもひっそりとしていて気になっていた」と話す。

 金子さんによると「馬込霊園には約3万基のお墓がある。霊園の分譲区画がまだあったころはお客さんもたくさん来てくださって、法事で当店を利用する方もたくさんいた。しかし、十三回忌を終えたあとは法要をあげる方も少ないし、何よりも最近では霊園を訪れる人の数がとても減っている。このまま何もしないで現状を見ているだけではいけないと感じていた」と話す。

 同店は2006年に建て替え工事を行い、その際、新店舗のイメージとしては「石の美術館のような雰囲気でありながら、店内はカフェのように寛げる空間」にしたというが、約56平米あるこの空間を「もっと有効活用できないかとずっと考えていた」と金子さん。

 カフェや話題の店を訪れることが好きだった金子さん。「石材店なんて、ただでさえ用がないと店に入らない。カフェにして誰でも楽しんでもらえる場所にすれば、入店ハードルを下げることができる。さらに、この場所をわざわざ探して訪れてもらえるような場所にできれば、と考えた」とも続ける。

 過去には、外部の人を呼んでカフェを営むことも考えたというが、最終的に出した答えは、金子さん本人と、日ごろから同店で事務を手伝っている妻・恵理子さんの2人でカフェを始めることだった。約2カ月前に決意したという。

 「コーヒーはいつも自分で淹れて飲んでいたし、カフェも好き。だけど、まさか自分がやるとは思ってもいなかった。でも人件費などを考えると、まずは自分でやるしかない」と金子さんは笑う。「先代や身内に話したとき、最初はなかなか受け入れてもらえなかった。同業からは『石屋がカフェなんて』と思う人もいるかもしれない。でもこの場所がお墓参りに行くときの楽しみの一つになれば、お墓参りに来る人が少しでも増えるかもしれない」と期待を寄せる。

 同店で提供するのは、石臼を使って客が自分で豆を挽く「石臼挽き体験コーヒー」(500円)や、恵理子さんがシフォンケーキマイスターの資格を持つ友人の教室に通って習得した「自家製シフォンケーキ」(350円)、金子さんが大ファンだというパン店「ベーカリーハイジ」(白井市)の食パンを使った「トースト」(200円)。金子さん夫妻が不在の場合は、マシーンドリップでのコーヒー(300円)のみになる。コーヒー豆は、金子さんが以前から通っている「magome coffee project」(船橋市馬込沢)から仕入れ、シフォンケーキに使っている卵は、金子さんが昔から付き合いのある養鶏所「奈良養鶏園」(船橋市馬込町)の卵を使用している。

 同店を訪れていた「OVEN+(オーブンプラス)」(鎌ケ谷市東初富)の店主・小林さんは「コーヒーもシフォンケーキもおいしかった。静かで車の通りが少なく、くつろげる場所ですね」と感想を話した。

 席は、大きな窓から外を見渡せるソファ席が2つ、6人掛けテーブル席が4つ。ボードゲームやマンガ、DVDなどもそろえている。営業時間は10時~16時(LO)。木曜定休。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 妻・恵理子さんが手作りするシフォンケーキ

  • 右から金子和哉さん、妻・恵理子さん

この記事を書いた人

yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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