船橋ヤング・ジャズバンド

1/29（水）社会人ジャズバンドの祭典「バンドスタンド」

船橋ゆかりのアーティストに加え、新企画で公募のヤングバンドも出演

　船橋市民文化ホール（船橋市本町2-2-5）で社会人ビッグバンドジャズの祭典「第26回BAND STAND FUNABASHI」が開催され、会場には約700人の幅広い世代のジャズファンが集まった。

　例年、プロのミュージシャンをゲストに招き、船橋市を中心に活動する社会人ビッグバンドによるジャズの共演が披露されてきたが、昨年、節目である第25回を終えた時点で次回に向けて観客アンケートをとり、今年は今までにない企画が盛り込まれた。

　バンドスタンド船橋実行委員会により「若者にもジャズの裾野を広げたい」と、新企画として、一般募集で結成した高校生～大学1年生による「船橋ヤング・ジャズバンド」が出演した。

　同実行委員長の武田聡さんは開演に先立ち、「バンドスタンドを市民のジャズ音楽祭のようにしていきたい。常連のバンドだけでなく、若い人にもジャズを味わってもらい、ジャズの演奏技能も深めてもらいたい。若いバンドの皆さんを支援するような気持ちで今日は楽しんでいただきたい」と挨拶。

　「船橋ヤング・ジャズバンド」のメンバーは昨年8月から市の広報を通じて高校生から20代前半で楽器経験者を対象に一般募集が行われた。応募者は4人で、一時は出演が危ぶまれたが県立船橋高校ジャズバンド部の協力を得て、実現に至った。練習は社会人ジャズバンドのメンバーにより昨年9月から月に2回位のペースで行われ、本番を迎えたという。

　武田さんは「ジャズは難しいものという先入観を持つ人が多いが、実は聴いても演奏しても楽しい音楽。ビッグバンドは楽譜を用いるので始めやすいし、年をとっても続けられるので若い人にも楽しんでもらいたい。船橋にジャズ文化が広がれば」と話した。

　「船橋ヤング・ジャズバンド」のコンサートマスターで一般参加枠で参加した毎床（まいとこ）ほのかさんは「おじさまバンドでは出せないフレッシュなパワーをお届けします。社会人バンドの方たちに指導していただき、少しずつですがスイングの仕方やジャズの演奏を習得でき、自分たちの演奏が楽しくなってきました」と話し、会場は沸いた。「チュニジアの夜」ほか3曲を演奏し、観客からは割れんばかりの拍手が送られた。

　スペシャルゲストは、バークリー音楽大学を卒業し、2010年「神戸ジャズ・ヴォーカル・クイーンコンテスト」でグランプリ受賞しているギル・ジルカさん。数々のCMで個性的な歌声を披露し、2018年にはMISIAのツアー参加など、多岐にわたり活動。一方、大阪芸術大学の教授を務め、都内でもワークショップを精力的に行っている。

　そのほかの出演者は、同イベントに第1回目から出演し、実行委員長である武田さんがバンドマスターを務める「ビッグバンド・バグス」。船橋出身のジャズシンガーであり、市内でさまざまな音楽イベントの企画をし、毎日生演奏が楽しめる店「コクリコット」（本町4-39-10）、「コクリコット フォルテ」（本町4-39-8）の店主でもある河村留理子さんも共演した。「東京ユニオン」のトリビュートバンド「TTMスペシャル・ビッグバンド」には同イベント初出演となるジャズシンガーの桃井まりさんと共演。桃井さんは高郷小学校、七林中学校の出身で、著名人やビッグバンドとの共演、ラジオ番組出演など幅広く活躍し、市内音楽イベントにも多数出演している。

　船橋の三番瀬にちなんだバンド名の「ザ・サードコースト・ジャズ・オーケストラ」は市内在住のサックスプレーヤー・小髙嘉子さんと共演。「バンドスタンド・ドリームバンド」は、スペシャルゲストのギル・ジルカさんと共演。バンドは、今回出演の社会人バンドの精鋭で結成し、2月2日に行われる「第27回音楽のまち・ふなばし千人の音楽祭」にも出演予定である。

　市内山手在住の60代の女性は「同イベントのことは知っていたが今回初めて来た。ヤングバンドのみなさんはきらきら輝いていた。短い練習期間だったのに素晴らしい演奏だった。ギラ・ジルカさんの演奏は『ブルーノート』にいるようで、うっとりした」と笑顔で話した。

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