2020年01月26日 配信

支柱柵に張った網の下をくぐる、通称「潜水艦」と呼ばれる摘採船

1/26(日)三番瀬での海苔漁が最盛期を迎える

海苔漁師の伝統技法「支柱柵の固定張り」で

 東京湾最奥部の干潟・三番瀬で1月23日、伝統的海苔漁が最盛期を迎え、海苔師坂才丸の滝口光宏さんが海苔漁を披露した。

 遠浅の三番瀬では、潮の干満を利用した「支柱柵の固定張り」という漁法に古くからこだわっている。3000本の支柱を取り付け、海苔の種苗を植え付けた網を張る。船橋市漁業協同組合常務理事の苗木隆さんは、「海苔は干潮時に日光を浴び、干潮時に海水の栄養分を取り込むので、海苔のアミノ酸が増して、味がすごく濃くなるんですよ」と話す。

 三番瀬は、東京湾最奥部にある干潟と浅海域。江戸時代には徳川家の御菜浦(おさいのうら)として、ここで獲れた魚や貝を献上していた。沖から離れるごとに高瀬、二番瀬、三番瀬と名付けられていったという説があるが、昭和40年代の京葉港埋め立てにより今は三番瀬が残っている。ミネラルなど豊富な栄養が海水に混じり合うため、海苔の養殖に最適な環境になっている。

 50年前は1000軒もの海苔漁師がいたが、現在は4軒の7人。埋め立てにより海苔漁師の転業が余儀なくされ、高齢化による後継者不足に加え、海苔加工機械なども含めて初期投資に数千万かかるため、海苔業界への新規参入が難しいなど、さまざまな要因があり、減少の一途をたどっているのが現状だという。

 海苔は寒い時期にしか収穫できず、桜が咲く時期には終わる。例年11月下旬から始められていた海苔漁が、ここ数年は温暖化の影響で収穫の始まりが遅れ、昨年は12月中に始められなかったという。

 苗木さんは、「生産者の数は減り、漁獲量も減っているが、伝統的な漁法による海苔の味に全く変わりはないです」と話す。昔から「千葉の海苔か佐賀の有明か」と言われていたほど高品質のものだったという。「長い歴史のある漁場です。食べてわかる、船橋ののりです」とも。

 現在、船橋市漁業協同組合のブランド「船橋三番瀬海苔」は2006年に地域食品ブランドの表示基準である「本場の本物」に認定。市は海苔の種苗の購入や海苔網の保存経費などを補助金を交付して支援している。

 販売している海苔については次の通り。船橋漁協協同組合が販売元となっている商品は「船橋三番瀬 焼きのり(ムラサキ)」(10枚入り1,080円)、「船橋三番瀬 焼きのり」(オレンジ)(10枚入り540円)、「生海苔」(200g600円)。「船福」(本町6-21-1)が販売元の商品は「江戸前千葉海苔 船福三番瀬」(5枚入り1,080円)。「船福」の商品は、市内の「船福」各店舗で購入でき、船橋港にあがる魚介類を扱う直売所「三番瀬 みなとや」や「ふなっこ畑」(行田3-7-1)などでも購入できる。

 問い合わせは船橋市漁業協同組合(TEL 047-431-2041)、農水産課(TEL 047-436-2492)。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 網に生育した海苔を収穫

  • 海苔師坂才丸の滝口光宏さん

  • 船橋漁港の様子

  • 生海苔の料理例としてスープや天ぷら、佃煮など

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