2019年12月15日 配信

船橋市の発表

12/15(日)千葉県北西部の11市の埋蔵文化財発表会

ワークショップ会場は幅広い世代でにぎわう

 船橋市中央公民館(船橋市本町2-2-5)の6階講堂で12月14日、「第11回千葉県北西部地区文化財発表会」が行われ、発表会には257人・ワークショップには延べ273人の参加があった。

 同発表会の主催は11市(我孫子、市川、浦安、柏、鎌ケ谷、流山、習志野、野田、船橋、松戸、八千代)の文化財保護に係る各市の教育委員会の担当者により結成された「千葉県北西部地区文化財行政担当者連絡協議会」。

 同協議会では市の垣根を超えて、文化財調査や行政に係る情報交換等を行っている。発表会は2000(平成12)年に松戸市での開催を皮切りに、その後は2年に1回開催され、今年の船橋での開催で、各市での開催が一巡したことになる。

 同発表会では、日頃の成果を広く地域住民に知ってもらい、文化財を身近に感じてもらうことをとして各市が約30分間の発表を行った。今年のテーマは「海と生きる~自然の恵みと人の知恵」。

 船橋市は「取掛西貝塚の人々が食した海の幸」と題し、教育委員会文化課の小林理恵さんが発表した。1998年に始まり現在に至る調査の経過を説明し、同貝塚で発見された縄文期の人々が食していた「海の幸」について地図や現場と発掘品の写真を交えながら発表。「取掛西貝塚」は国史跡指定を目指して調査中であり、2021年には国に具申する予定である。

 柏市の発表では担当の谷口友季さんが、縄文時代は奥東京湾(現在の東京湾が内陸部まで入り込んでいた)や古鬼怒湾(こきぬわん。現在の霞ケ浦、手賀沼一帯)の沿岸部、柏市を含む千葉県北西部に縄文人が住み、内陸部に至るまで海の幸に恵まれた生活をしていたと発表。来場者は興味深げに耳を傾けていた。

 八千代市在住で、取掛西貝塚の発掘された出土品の選別作業をしている来場者の女性は「自分が関わっている出土品だけでは大きな概要はわからない。その時代の人々が季節によって何を食べていたのか興味があった。こうしてまとまった形で発表されるのはうれしい。みんなにも知ってほしい」と目を輝かせた。

 船橋市教育委員会の狩野美那子さんは「埋蔵文化財や市内の石碑、伝統行事などを市民のみなさんに知っていただき、愛着を持ってもらえたら。市民の支えがあってこそ後世に残していける」と話した。

 5階では「歴史体験ワークショップ」も同時開催。会場入り口には出土した貝殻が置かれ、手に取って見ることができるよう展示。また出土した土器のかけらを使って復元した縄文土器をスケッチしたり、土器の破片で拓本をとり、それをしおりにしたりするなど、実際の埋蔵土器に触れながら楽しく体験できるように工夫を凝らした展示が行われた。

 勾玉作りは、紙やすりで簡単に削れる「滑石」を使って30分位で完成する内容となり、時間をかけて美しい勾玉を手作りした古代人に思いを馳せながら、子どもだけでなく、大人も夢中になっている姿が多くみられた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 縄文土器をスケッチ

  • 縄文土器の拓本作り

  • 勾玉作り

  • 柏市の発表

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yumiko_mikami

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MyFuna編集長のミカミです。子育て中の主婦ですが、MyFunaを通し、自分が住む街を知ることの大切さに気づかせてもらっています。
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