2019年11月18日 配信

11/18(月)第15回市民公開講座「口腔がん」

早期発見するために

 船橋歯科医師会主催の第15回市民公開講座「ご存じですか口腔がん、早く見つければ怖くない」が11月17日、船橋市中央保健センター(船橋市北本町2-26-55)で行われた。

 歯科医師会会長の尾﨑隆さんからあいさつがあり、毎年1回行われている市民公開講座が今年で15回続いていること、今年の公開講座は、春先から市民の関心の高かった「口腔がん」にしたことの説明があった。

 講師に東京歯科大学名誉教授の山根源之(げんゆき)さんを迎え、演題「ご存じですか口腔がん、早く見つければ怖くない」の講演があった。

 今年の春先、タレント堀ちえみさんが口腔がんを公表したことをきっかけに、口腔がんに対する関心の高まりがあった。山根さんは「一人一人が関心を持つこと、そして早く見つけることが最も大事になります」と話した。

 口腔・咽頭がんを患う人は全がん患者のうち1~3パーセントだが、死亡率は高く、死亡者数は子宮頸部がんよりはるかに多いという。米国の口腔がん死亡者が日本人より少ないのは、健康維持が自己責任であること(国民保険ではない)、国民の口腔疾患に対する予防意識が高いことなどを上げ、中でも歯科医師や国民の口腔がんに対する関心度が高いことなどがあると説明。

 一方、日本の口腔がん死亡者が多いのは、日本人は自分の健康維持に関心が少ないこと、罹患率が低いため身近ではないこと、口腔粘膜の疾患は全部口内炎だと思うことなどがあるという。そのため、初期は痛みがないので受診しない、個人および社会の関心も意識も低いために発見が遅れるなどが挙げられる。

 口内炎も要注意だと話し、山根さんは「口腔粘膜痛は口内炎と自己診断しがちですが、1週間経過しても変化がないようだったら、それは口内炎ではないです」ときっぱりと話した。さらに定期検診を受けること、日ごろから口腔を自分で観察し異変を察知することの重要性に加え、口腔の健康に気を配った生活を心がけることだ大切だという。「喫煙はダメ。ウイスキーのストレートなども粘膜を傷めるだけ」と注意を促した。

 日ごろから口腔観察が大事であること、がんになるか心配する色の変化(紅・白・黒)や、形の変化(腫脹、粗面、びらん、潰瘍など)などの説明があり、早期発見・早期治療が命を救い口腔機能を維持する、講演を締めくくった。

 市内海神在住の男性は「色の説明など具体的な細かい話が聞けてよかった。妻の口腔内に気になる点があったので今日は一緒に来る予定でしたが、妻に用事ができてしまい、自分一人でも来てよかったです。大変参考になりました」と話した。北本町在住の女性は「入れ歯が合わずすれて口内炎になってしまいました。引っ越してきたばかりでどこの歯医者に行けばいいのかわからず、今回教えていただけて安心しました」と安堵した様子で会場を後にした。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • あいさつする歯科医師会会長の尾﨑隆さん

  • 東京歯科大学名誉教授の山根源之さん

  • 会場の様子

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