2019年09月01日 配信

左から市長、日吉淳さん、谷本有美子さん、本木次夫さん

9/1(日)「『行革』で変わる船橋の未来」

市長と有識者による行革シンポジウム

 「『行革』で変わる船橋の未来」と題したシンポジウムが8月31日、船橋文化市民ホール(船橋市本町2-2-5、TEL 047-434-5555)で開催された。

 2部構成で、第1部では船橋市企画財務部行政経営課長の森昌春さんから、「船橋市の現状と行財政改革」と題し、「行革」について、今後の船橋市、船橋市の財政の現状、そして今後の船橋市の財政について説明が行われた。このような取り組みは、市として初の試みになるという。

 「行革」とは「行財政改革」の略で、「これまでのやり方や考え方を変えていくこと」との説明があった。人口63万人を超えた船橋市は、「財政は比較的豊かに見えるが、現実は違う」とも。

 今後の船橋市としての課題に「少子高齢化の進行」と「公共施設の老朽化」の2点による財政のひっ迫化が挙げられた。近い将来、人口の4分の1は65歳になり、働く世代の人口減少は財政の財源となる市税の収入が減少、さらに高齢化により介護や医療費などの社会保障経費が増加するという現実が待ち構えている。そして、かつての人口増加に合わせて作った学校が、一斉に老朽化しているという現実の説明があった。

 さらに船橋市の財政状況は、小中学校の耐震化と北部清掃工場の建て替えなどにより、直近の10年間で支出が600億円以上も増加。収入の伸びが追い付かないため、財源調整基金(市の貯金)を切り崩すことで対応し、財源調整基金は2年間で87億円の減少になったという。

 今後、社会保障経費はますます増加、さらに、耐震化工事などの返済額が増加し、財政の見通しとしては大きな赤字になると見込まれている。そういった現実を踏まえ、市としては令和元年度と2年度を集中取組期間として「行財政改革推進プラン」を策定。6つの柱を掲げ、市民と一緒に進めていくという説明があった。「行財政改革推進プラン」の6つの柱とは、1業務改善による事務執行の効率化、2民間活力の活用、3事業の見直し、4普通建設事業の見直しと公共施設マネジメント、5使用料等の見直し、6安定的な財政運営のための歳入確保、になる。

 第2部では「『行革』で変わる船橋の未来」と題し、5人のパネリストによるシンポジウムが開かれた。法政大学大学院公共政策研究科教授の武藤博己さんがコーディネーターを担当し、松戸徹市長、日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門ディレクター/プリンシパルの日吉淳さん、神奈川県地方自治研究センター研究員・法政大学人間環境学部兼任講師の谷本有美子さん、船橋市自治会連合協議会会長の本木次夫さんがパネリストとして檀上に。「行財政改革推進プラン」の民間活力の活用、使用料等の見直し、事業の見直しについてパネルディスカッションが繰り広げられた。

 市長からは「行政は市民のために、行革をなんとしてもやりとげなくてはならない」と話があった。民間活力の活用では指定管理者制度の導入については、ふなばしアンデルセン公園やふなばし三番瀬環境学習館の事例をあげ、その導入率が中核市の平均51%なのに対し、船橋市は11.5%と説明。「市民参加で評価します。市民が使いやすいものにしてほしい」と本木さん。日吉さんは「利益優先にならないか。民間に丸投げではなく、いかに民間のノウハウを活用するか任せ方が大事」と神奈川県大和市の民間運営の図書館「シリウス」を例に挙げ話した。

 民間運営に慎重派だと自ら話す谷本さんは「船橋の導入率が低いことを逆手に、ほかの失敗事例などから学べることがある」と話す。武藤さんからも、導入が遅れている分、他市の失敗や成功から取り組みを考えていけばいいのではとまとめた。使用料等の見直し、事業の見直しについても同様にディスカッションが進められた。市長は「市民の理解を得ないとならない。ICTを活用し、合理的に、時間をかけて取り組んでいきたい」と話があった。

 高根台から参加したという親子連れは「参加して、行革についてよくわかった。市のホームページにあるWebのアンケートにも参加しようと思う」と話した。市の関係者によると、今回の参加者は400人前後とのことだった。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • Youtube
  • TikTok
  • Webサイト
スポンサードリンク

記事の場所
関連キーワード