2019年08月27日 配信

船橋のなしを丸ごと使ったフレッシュなケーキ

8/27(火)船橋市場近くの洋菓子店パティスリーリコで「船橋のなし丸ごとケーキ」商品化

船橋のなしを使ったジャムも開発中

 船橋市の特産品「船橋のなし」をつかった商品企画が水面下で始動していている。船橋市地方卸売市場近くのパティスリーリコ(船橋市本町6-12-9、TEL047-407-0502)では、9月上旬をめどに「船橋のなし丸ごとケーキ」(予定価格・600円税抜き)の販売を開始する。

 「船橋のなし」を使った商品は、毎年市内の多くの飲食店などで農家とのコラボで商品化され、各店で季節限定の人気メニューとして話題にのぼっている。しかし、「和梨は加工に向かない」という定説もあり、定番メニューとして毎年の季節メニューとして定着している店は少ないという実情もある。

 和梨が加工に向かないと言われている一番の理由が「梨の食感を活かした加工が難しい」「水分の含有量が多いので梨の味を再現しずらい」「加工すると変色しやすい」などとされている。

 今回、同店で開発したメニューでは、梨の皮を丁寧にむき、実を丸ごと煮込むことで梨のフォルムを活かした。煮込み調理の時間を短くすることで和梨特有のザラザラ・シャキシャキとした食感を残すことに成功、調理にはちみつとレモンを使い酸化による変色を防止することで、梨の味や食感を最大限残す事に成功した。

 さらに、梨の芯や種の部分にヨーグルトを混ぜ込んだカスタードクリームを用いる事で清涼感を感じさせるさっぱりとした夏向けのスイーツとして仕上げ、チョコレートとハーブを用いることで梨のヘタと葉も再現、梨らしいデザートに仕上げた。

 和梨が加工に向かないと言われている中、あえてレシピの研究を行った店主の中村さんは、「梨農家の苦労と梨作りに関する情熱を聞き、梨農家の想いをケーキで伝えられないかと思った」と商品化への想いを話す。

 千葉県北西部では今年、豊水(ほうすい)品種の一部に「蜜病(みつびょう)」が発生するあたり年だといわれている。「蜜りんご」のように果実に蜜が多く入る状態を指すが、食用としては問題ない。逆に蜜が多く入るので味は甘みが強くなるが、和梨特有の食感が弱くなる傾向にある。

 そのため、ぎりぎりまで熟れた状態で出荷する直売所販売が主体の市内の農家では、これを商品化せず無料配布したり、かねてから加工に向けての商品化を研究してきた。中村さんはこうした実情を知り、ジャムや菓子や料理などに使いやすいコンポートの開発も計画。まもなく商品化される見込みだという。

 「船橋のなし丸ごとケーキ」は、同店で9月上旬をめどに販売開始。「船橋のなし」ジャムやコンポートは、8月下旬をめどに商品化して近隣のカフェや移動販売事業者、マルシェ出店者などを通じて販売していく予定だという。

 同店の営業時間は、10時~19時半。木曜日定休。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 船橋市場近くのパティスリーリコ店主の中村貴使さん

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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