2019年05月21日 配信

三番瀬で成長しているイボキサゴ

5/21(火)絶滅した巻き貝を市民団体が三番瀬で生息確認

東京湾の環境改善の証か

 船橋市と市川市にまたがる東京湾・三番瀬で絶滅したとされてきた巻き貝の一種「イボキサゴ」の生息を確認した市民グループ「三番瀬フォーラム」が5月19日、報道関係者向けに合同記者発表を行った。

 同グループでは定期的に三番瀬の生物などを観察しているが、今年の2月に「イボキサゴ」の生息を確認。4月には同会が「千葉県立中央博物館」他複数の専門家に呼びかけ、合同調査を実施。正式に生息を確認した。

 イボキサゴは千葉市の加曾利貝塚や船橋市内の中野木台遺跡などに貝殻が多く出土し、東京湾沿岸に暮らした縄文人の食糧であったと考えられる。1970年代までに行われた干潟の埋め立てや水質悪化などにより絶滅したとされてきたが、約半世紀を経て、三番瀬の干潟でその生育が発見された。ナガラミに似た巻き貝であるが、それよりも小さく身は少ないという。

 三番瀬フォーラム事務局長の清積庸介さんは「木更津の盤洲(ばんず)干潟では1995年にイボキサゴの生息が確認されているが、三番瀬ではその貝殻しか見られなかったので、貝殻が流れ着いてきたのだと思われていた。今回生息が確認できた時は驚いたが、とてもうれしかった。三番瀬の環境が改善している証」と笑顔を見せる。

 また「昨日同会は盤洲干潟に行きイボキサゴの観察をしてきたが、三番瀬の方が大きく成長しているものが多い。三番瀬は東京湾の湾奥で餌となるプランクトンなどが豊富だからでは」とも。

 清積さんは、「イボキサゴは『干潟ウォッチングフィールドガイド』(市川市・東邦大学東京湾生態系研究センター編著)によるとアサリよりも浄化能力があるという。春先から夏場にかけて急成長し、他の生き物とともにプランクトンを多く食べるため、水質浄化の役目を果たしている。干潟の海水が透明できれいなのは、そのおかげでもある」と話した。

 市民グループ「三番瀬フォーラム」は1991年に設立。前身である「三番瀬研究会」は1988年からトヨタ財団の助成を受けて三番瀬の調査研究をしてきた。現在会員は約60人で市川市、船橋市、習志野市など三番瀬近隣の市民が多い。活動内容としては、三番瀬の環境保全活動の一環として「干潟散策」などを一般向けに企画し、「特に東京湾に親しむ経験が少ない子育て世代に親子で海に親しむ機会を提供し、その思いを次世代へとつなげていければ」と清積さん。

  • 三番瀬フォーラムの皆さん。中央が清積事務局長

  • 干潟に生息するイボキサゴ

  • イボキサゴの他にもさまざまな生物が生息している

  • 干潟の透きとおった海水

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