2019年04月30日 配信

4/30(火)夏見に5月開業の高齢者施設「銀木犀船橋夏見」でVR認知症体験

実際に認知症になった時の視覚を疑似体験

 八栄小学校、船橋中学校にほど近い場所に5月15日、高齢者施設「銀木犀船橋夏見」(船橋市夏見2-18、TEL047-421-1700)を開業するシルバーウッド(浦安市鉄鋼通り1-2-11)が4月26日、専門職を招いた「VR認知症体験」を開催した。

 同企画は、数年前から実施しているもので、既に国内外で2万人以上が体験をしているという。VRヘッドディスプレイを通した360度の立体的な視覚とヘッドフォンを通じた音声で、認知症を抱えた人がどのような感覚で物を見ているのかを疑似体験できるもので「認知症を抱えた人の世界を体験する事で認知症に関する考え方が変わる」事を期待しているという。

 今回は、3つの事例の体験視聴を提供した。1つ目の事例ではアルツハイマー型認知症で「空間把握能力」が欠けた場合に車からの乗り降りをどのように感じるのかを360度の視野で体験させた。

 2つ目の事例では、電車で寝すごしてしまって自分がどこにいるのかわからなくなってしまった事例で「物忘れ」を体験。高齢者に対して周囲がどのような立ち振る舞いをするのかを受け手側としてリアルに感じられる仕組みだ。

 3つ目の事例では、約70種あるという認知症の中でも比較的新しい「レビー小体型認知症」を抱えた人が見る世界を体験させた。見えるはずのないものが見えるという特徴を持つレビー「小体型認知症」の体験では、部屋の片隅で壁に向かって無表情にたたずむ男性や、うついたまま座り込む青年、走り寄ってくる犬やテーブルを這いまわる蛇などが体験者の周りで登場しては消えていく。

 こうした感覚体験を通じて、介護業界のプロとして活躍する今回の参加者らも「思っていたよりもきつい(大変)」「セオリーとして習っていた前から声掛けをすることの大切さを実感した」「認知症でもそうでなくても同じことが起こりうる」など口々に感想を話した。

 体験会をコーディネートした同社の本間祐介さんは、「自分たちにできる事を奪わないでください。認知症になっても周囲の手助けがあれば生活できる、僕たちも一人でも電車にも乗れる」と、若年性認知症を抱える45歳男性の言葉を使って体験会を締めくくった。

 同様の体験会は、銀木犀船橋夏見で今後も月1回程度定期的に開催するという。また、同施設は、5月15日に入居を開始。施設には、「駄菓子屋」と一般客も利用可能な「しゃぶしゃぶ専門店」が併設されるという。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 入居開始を待つ銀木犀船橋夏見

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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