3/12(火)船橋の伝統行事「海神の天道念仏」
念仏と踊りで平和を願う
船橋に今も伝わる伝統行事のひとつ「海神の天道念仏」が3月10日、海神念仏堂(船橋市海神1-17-16)で開催された。
天道念仏とは、農耕が始まる春先に太陽(てんとう)を拝み、冬の間に弱まった太陽の力を復活させ、五穀豊穣を祈願する行事。天道念仏保存会世話人代表の堀江鉄朗さんは「家内安全や平和を祈るイベントとして今に伝わっています」と話す。
海神では戦前から続く行事として、3月の第1あるいは第2日曜日に開催している。「戦争で一時中断したようですが、昭和50年代に有志が集まり、当時を知る人の話を聞いたり、昔の写真を見たりして復活させたようです」と堀江さん。
一般には2~3月に千葉県の千葉郡、印旛郡、南相馬郡、東葛飾郡など下総一帯を中心に、栃木県、茨城県、埼玉県、福島県や長野県にかけての各地に分布している。市内ではほかにも中野木で開催されている。
海神の天道念仏の梵天(祭壇)は、男性によって前日に組み上げられたという。角材による木枠でできており、5色の色紙を切った御幣(ごへい)や御幣より小ぶりの幣束(へいそく)が飾られ、色鮮やかな梵天が出来上がっていた。台上中央北向きには大日如来像が安置され、供え物が供えられている。
11時に全員が梵天正面に着座し、同保存会会長の矢作光平さんが中心となって念仏を始めた。その後、念仏踊りは鉦(かね)4人と太鼓3人が、女性は扇子を手に舞いながら梵天の周りを右回りで回った。
「ふなばし街歩きネットワーク」の早春の街歩き「優しさにあふれる街・海神を歩く」海神歴史散歩(海側)コースの一行も見学に来ていた。
堀江さんは「天道念仏が始まると、春が来たと心が明るくなります。ずっと伝承していきたい行事です」と笑顔で話した。
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