2019年03月10日 配信

板倉病院訪問診療医の久野慎一さん

3/10(日)市民公開講座「訪問診療について」

介護保険サービスと訪問薬剤師についても

 船橋地域福祉・介護・医療推進機構の市民公開講座「訪問診療について」が3月9日、高根台公民館(船橋市高根台1-2-5、TEL 047-461-7061)で開催され、約30人の市民が参加した。

 同推進機構の代表理事菅谷和夫さんより開会のあいさつ。その後、「介護保険サービスをかしこく利用するコツ教えます」と題したケアマネジャー水川みちえさんの講演が行われた。

 介護保険の仕組みや介護サービスを利用する手順、サービス利用のポイントとコツ、利用できるサービスや船橋市独自の支援などについて紹介。サービスの利用には担当ケアマネジャーの選任が必要だが、「近隣の事業所で信頼できるケアマネジャーを見つけるのがいいでしょう」と水川さん。

 次に訪問薬剤師について、管理薬剤師の伊藤美奈子さんより話があった。薬剤師が自宅まで訪問して、残ってしまった薬の調整や、3回に分けて飲まなければならない薬の1包化ができることなど、また「お薬カレンダー」の紹介などがあった。

 そして最後に板倉病院の訪問診療医の久野慎一さんより「訪問診療とは」と題した講演。まず、訪問診療と往診の違いから説明があり、どういう人が訪問診療を受けられるか、訪問診療はどんなことをするのか、検査内容や在宅緩和医療、在宅看取りなどについても話があった。

 久野さんは「訪問診療は画像が見られないので、体に直接触れて診察することが多い」と話す。病気よりも患者の訴えや思い、これからどうしていきたいのか、どうしたら残りの時間を尊厳を持って過ごすことができるのかを一緒に考える」とも。

 久野さんは、在宅医療で覚えていてほしいこととして、「在宅医療は家族、特に身近で面倒みている人に負担があります。何がなんでも家でと考えず、どうしようもないと感じたらギブアップもありだということを覚えていてほしいです。入院という方法があります」と強調した。

 最後に、相談窓口として船橋市在宅医療支援拠点「ふなぽーと」の紹介があり、相談員の松本敦さんより話があった。「どこにどう相談すればいいのかわからないという方はぜひ相談に来てください。必要な支援の必要なタイミングなどをお伝えし、もちろんその相談先とも連携して可能な限りのフィードバックもしていきます」と話があった。

 講演後は恒例の無料相談会も開かれ、81歳になるという女性は、「チラシがマンションのポストに入っていたので友だちと一緒に参加しました。薬のことで不安があったんですが、相談できてすっきりしました」と笑顔で話した。先月の市民講座で今回の講座を知ったという男性は、「訪問診療がどういう基準で受けられるのかを知りたかったのでよかった」と満足そうに話し帰路についた。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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  • 無料相談会の様子

この記事を書いた人

大西俊子

大西俊子

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