2019年02月28日 配信

2/28(木)ふなばし三番瀬環境学習館で初の鳥類調査講習会「モニタリングサイト1000」

専門家による「シギ・チドリ類の見分け方講習」なども

 ふなばし三番瀬環境学習館の多目的スペース(船橋市潮見町40)で2月24日、初となる鳥類調査講習会「モニタリングサイト1000 in 船橋」が開催され、調査員、鳥愛好家、写真家ら約25人が集まった。

 同所では2018年11月23日から企画展「三番瀬いいとこ鳥展」を開催し、そのフィナーレとして、最終日の2月24日に同講習会を開催した。

 「モニタリングサイト1000」の正式名称は「重要生態系監視地域モニタリング推進事業」という。環境省が実施しているもので、国内の重要な生態系を約1000カ所選び、100年間さまざまな生物を観測、調査することで日本の自然環境の質的・量的な劣化を早期に把握するもの。

 環境省生物多様性センターでは、自然環境の調査や野生生物の保全に関わっている各種団体を通じて、大学、研究機関、専門家、地域のNPO、ボランティアなどに呼びかけ、同事業を推進するためのネットワークを構築しているが、そこへの新たな参加者を募る意味を含め、例年講習会を開催している。

 NPO法人バードリサーチの守屋年史さんは「鳥の定期的な調査を行っていることなどを知らない人が多いと思いますが、普段我々が行っている調査や成果を伝えられる機会をいただけてよかった。このような調査によって、日本の水辺の環境や自然環境がだんだん変化していることが分かってきている。そのようなことに関心を持ってもらえるとうれしい」と話した。

 講習会は約6時間開催され、興味がある人は誰でも参加可能。プログラムは、環境省生物多様性センターが「モニタリングサイト1000と市民参加の重要性」について話し、日本野鳥の会・野口真麿子さんによる「モニタリングサイト1000陸生鳥類調査の成果」の発表、バードリサーチ・佐藤望さんは「ガンカモ類調査の成果」について、バードリサーチ・守屋年史さんは「シギ・チドリ類調査の成果」「モニタリングとは何でしょう」を話した。

 そのほか、我孫子市鳥の博物館から小田屋嘉弥さんが来館して「クイズで学ぶシギ・チドリの見分け方、中級編」や実際に参加者が外に出て、千葉県野鳥の会・三番瀬サイト代表調査員の田久保晴孝さんとともに模擬調査や観察会も行った。

 シギ・チドリ類の見分け方講習後、参加していた野鳥愛好家の男性は「調査に参加しようと思い来たのですが、見分けが難しく自信をなくしました」とコメント。図鑑を手に野鳥を見比べていた女性も「見分けは難しいが、調査の結果が環境等などの役に立つならがんばりたい」と話した。他県でも調査を30年ほど行っているという参加者は「シギ・チドリ類の見分けのクイズで私も90%しか正解できませんでした。それだけ難しいのですが我々もお手伝いしますので、ぜひ調査に参加してほしい」と参加者を勇気づけた。

 日本野鳥の会の野口真麿子さんは「今回の講習会で陸生鳥類調査だけではなく、さまざまな鳥類調査の方法、識別方法などを学んでいただけたと思うので、そこからさまざまな調査にチャレンジしていただきたい」と話す。

 ふなばし三番瀬環境学習館の小澤鷹弥さんは「これから春にかけてシギ・チドリ類をはじめ、たくさんの渡り鳥がこの三番瀬にやってきますので、ぜひ三番瀬に野鳥を見に来てほしい」とも話している。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • バードリサーチの守屋年史さん

  • 野外実習にて

  • 講習会の様子

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MyFuna編集部

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