2018年09月03日 配信

9/3(月)船橋発の「Bean to Barチョコレート」
障がい福祉施設で特徴を活かし手作り生産

 船橋市北部、県立船橋北高校近くの緑豊かな場所にある知的障がい者を対象にした生活介護施設「らんどね空と海」(船橋市神保町177-8、TEL047-401-3285)で9月末から船橋産のチョコレート「Bean to Bar」の販売が始まる。

 同施設は、社会福祉法人地蔵会が運営。2014年に開設した「アトリエ空と海」、2017年5月に開設した「らんどね空と海」の2施設からなっており、主に障がい者を対象とした多機能型事業所を展開している。らんどねの入居定員は、35人。

 らんどね空と海は、船橋在住の菜園料理人・藤田承紀さん(36)が料理を監修している。らんどねオープン時から「自前で手作りのチョコレートを製造できないか」と模索していた藤田さん、開店前に専門家に意見を聞きに行ったが「難しいだろう」と言われ一旦はあきらめた。

 しかし、らんどねオープンから1年が経とうという頃、チョコレート製造にかかわる工程を見つめ直していくとカカオ豆は入手可能、ローストするためのオーブンはすでにらんどねで購入済み、「コンチング」と呼ばれるカカオ豆を細かくするためにじっくり十時間以上も練り上げる工程は機械を10万円程度で入手可能だとわかった。

 さらに、その次の工程「テンパリング」で45~50度にして溶かし、25~27度に冷やし、31~32度に冷やし固めるという温度調整は鍋でも代用可能。成型する為の型も既製品を購入すれば可能なことだとわかった。問題になったのは、「コンチング」の前工程でカカオ豆の皮をむく作業だった。

 皮むき器は数百万円する機械で、これを購入するとチョコレートの販売だけではなかなか利益を出すことができない、この工程がチョコレート製造の参入に大きな障壁となっているという。仮に手作業でカカオ豆の皮をむくと莫大な人件費が商品にかかってくる。もくもくとカカオ豆の皮をむく作業に耐えうる人材を確保するという困難もあるのだ。

 しかし、藤田さんの同僚にはこういった淡々と同じ作業を繰り返し、正確に、なおかつ丁寧に行うのが得意な人材に事かなない。そこで「Bean to Bar」チョコレートを作っている国内の第一人者に意見を聞きにいくと「愛があればチョコレート製造は可能」と背中を押してもらえた。

 最初のカカオ豆から作ったチョコレートは8月初旬に完成した。今後、徐々にメニューの中に入れていく予定だというが、販売開始予定は9月後半からを考えている。チョコレートは、空と海が得意とする紙すき技術にカカオ豆の皮を練り込んでつくったどこかしら「和」を感じさせるオリジナル包装用紙で提供する予定だ。

 営業時間は、12時半~16時(月~水)11時半~16時(木~土)。日祝定休。利用の際は電話(TEL047-401-3285)での事前予約が必要。また、月~水は数量限定のパスタセット、デザート、ドリンクのみの提供となる。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

この記事を書いた人

山﨑健太朗

山﨑健太朗

船橋のタウン誌MyFuna、ネットニュースMyFunaねっと、船橋経済新聞を立上げ、現在は千葉県内全域のローカルニュース編集者と連携する「ちばごと」編集部を立ち上げています。主婦と高齢者をライターに育成し地域から日本を元気にする仕組み作りを目指しています。
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