2018年07月16日 配信

三木則尚先生による講義

7/16(火)船橋情報ビジネス専門学校で「第11回サイエンスカフェin ふなばし」
「人間と昆虫の違い」からスケールサイズを学ぶ

 船橋情報ビジネス専門学校(船橋市本町7-12-16、TEL 0120-278-446)で7月14日、船橋三田会主催の「第11回 サイエンスカフェ in ふなばし」が開催された。

 船橋三田会とは、船橋や近隣に在住または勤務する慶応義塾大学卒業生で構成する同好会。開催の趣旨は、「新進気鋭の科学者を招き、最先端の科学技術に関する研究成果を、将来を担う小中高生に解かり易く伝えること、更なる学びのきっかけにしてもらいたい」というもの。

 「毎回、参加者にお茶とお菓子を提供し、リラックスした雰囲気の中で最先端の科学研究の成果に触れてもらいたい」という考えに賛同したメンバーと企業の協力で成り立っている。協賛に会場の船橋情報ビジネス専門学校、後援に船橋教育委員会。

 第11回目になる今回のテーマは、「もし人間が小さくなっちゃったら?〜マイクロマシンの世界〜」。最新のマイクロマシン(小さな機械)について学び、自然界に見られる「スケール効果」(サイズによる効果)について自分たちで考えたのち、グループごとに「マイクロ人工いくら」作りに挑戦した。参加人数は、小中学生33人、高校生1人、大人23人。

 講師は、最先端の科学技術を研究し、多くの学生の指導をする慶應義塾大学理工学部機械工学科教授で工学博士の三木則尚先生。参加者のディスカッションタイムや実験のサポートをするのは、慶応大学生(三木先生の研究室の学生)。

 同講義では、「人間と昆虫の違い」をグループごとにディスカッション。さまざまな答えの中で、今回のテーマ「大きさ」にスポットを当てた解説があった。懐かしい特撮ヒーローのプロフィール、有名なアニメの小人や巨大な虫のスケールサイズの非現実性を、その体積と面積を計算によって小学生にも分かりやすく説明した。ユーモアが散りばめられた講義に、笑いが起き、参加者の多くが熱心に聞き入った。

 講義のあとは、実験。細胞単位の研究をする際に必要な基本技術である「マイクロ人工いくら」作りは、三木研究室の研究生、愛称ぷーちんさんが指導。若い講師のノリのよいアナウンスに、会場が盛り上がった。各テーブルには、いくらの材料になるアルギン酸溶液、固める塩化カルシウム液、スポイトや注射器などの実験器具が配られた。

 誰が一番小さな「マイクロ人工いくら」を作れるかの競争では、小学生も中学生も技術を競って、マイクロスコープ(直径を測れる)に並んだ。1ミリ以下の700~500マイクロまでは多く作られたが、160マイクロを作った中学生がダントツの一位を獲得。作ったマイクロ人工いくらは、気に入ったものを持ち帰れるよう容器が配られた。

 市内在住の川松大聖くん(小学4年生)は、「知らない人たちとの授業で初めは不安だったけれど、先生の話しも同じグループの子もおもしろくて楽しくなった。虫に詳しい子が外骨格と内骨格の違いを答えて、すごいと思ったし、自分の意見もみんな良く聞いてくれてうれしかった。世界で1番小さい昆虫は何?という授業で『アリ』と答えたけれど、アザミウマタマゴバチという小さな虫がいると知った。自分でも、もっともっと小さい昆虫を見つけてみたいと思った。一番楽しかったのは、人工イクラ作り。絵の具で色々な色のイクラを作ってビーカーの中でかき混ぜるととてもきれいだった」と、感想を話した。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

  • 「マイクロ人工いくら」作り

  • ぷーちんさん

  • 船橋三田会会長の井上愼一さん

この記事を書いた人

大西俊子

大西俊子

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