2018年06月06日 配信

左から、包括支援課の日野さん、竹内さん

6/6(水)県内で初開催「認知症カフェ立ち上げ支援セミナー」
開設のノウハウや興味ある人たちをつなげる場にも

 船橋市(船橋市湊町2-10-25)では「認知症カフェ立ち上げ支援セミナー」を7月12日から千葉県内で初めて開催するにあたり、現在セミナーへの参加者を募っている。

 「認知症カフェ」とは、認知症の人やその家族、地域住民、医療や介護の専門職など、誰もが気軽に集える場所で、平成30年5月末現在は市に登録があるもので、市内19カ所で自主的に運営されている。現在は主に、介護事業所やNPO法人のほか、喫茶店、民生委員などの有志が集まった市民団体など、いろんな人が主体となって認知症カフェを開設している。

 市内の認知症高齢者の人数は現在約1万4000人。団塊世代が対象に入ってくると考えられる平成37年には約2万4000人に増える見込みだという。市では、認知症への対応を大きな課題として捉え、認知症予防対策と合わせ、認知症になった人が日常で過ごせる場所づくりのため、平成37年度までに、市内に100カ所まで「認知症カフェ」を増やすことを目指している。

 今回のセミナーへの参加対象者は、認知症カフェの開設を考えている個人や町会・自治会などの市民団体、介護事業所など。「少しでも『認知症カフェをやってみたいな』『どうやったらできるのだろう?』という気持ちがあれば、まずはセミナーにお越しいただければ」と船橋市包括支援課・認知症対策係長の日野晶子さん。

 「認知症カフェ立ち上げにあたって、まず多くの方にとって壁となってしまうのが、場所、人材、資金という3つの要素かと思います。今回はそのどれか、またはどれもそろっていない方でも、認知症カフェをやってみたいという気持ちさえあれば、まずは気にせずに参加いただきたいのです。むしろ、参加していただいたことで、開催場所のご紹介ができるかもしれませんし、集まった人同士でチームを結成し、一緒に立ち上げることもできるかもしれません」と日野さん。

 セミナーは全7回のプログラムで、第1回は7月12日、最終回となる第7回は12月13日となる。同セミナーの主催は、船橋市認知症高齢者グループホーム連絡会が市から委託を受けている。会場は市役所近くの千葉県船橋合同庁舎がメインだが、回によっては、実際の認知症カフェの見学に行ったり、立ち上げ予定の場所に専門家が出向いてくれ、個々にアドバイスももらえるような内容となっている。「ここまでの内容の立ち上げ支援セミナーを実施しているところはあまりないと思います」と包括支援課の主事・竹内拓也さん。

 認知症カフェは、いろんな視点から見てもとても大切な役目を果たしているという。日野さんは、「認知症を発症された方がデイサービスなどへの通所を拒まれた場合、まずはその事業所で行っている『認知症カフェ』に参加されることで、事業所の雰囲気に慣れることができ、その後、通所につながったというケースも多く聞いています」と話す。

 セミナーへの参加費は無料。定員は先着50人。参加要件は、原則として全7回を受講できる人。申し込み方法は電話(047-436-2558)または市内公共施設や認知症カフェ実施場所などで配布しているピンク色の用紙に必要事項を記入し、FAXでの申し込みも可能。
 申込は、すでに市内のカフェ経営者などからも問い合わせが来ているという。また、認知症カフェのためのスペースを提供できる個人、事業所、病院、施設なども募っている。

 また、市では立ち上げ時の費用助成も行っており、助成を受けるための要件は、月1回もしくは2カ月に1回は開催すること、開催時間は1回あたり2時間30分以上であること、開催場所には10人以上が集えること、スタッフは3人以上いることが主な要件となっている。
 要件を満たしている場合は、1年限り10万円を上限として、補助金が交付される。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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MyFuna編集部

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