2018年04月09日 配信

「今年は開花が例年よりも10日くらい早い」と加納芳光さん

4/9(月)船橋のなし「幸水」も満開に
受粉作業は例年よりも10日ほど早く

 船橋市の名産品として全国的に知名度の高い「船橋のなし」の主力品種「幸水」の開花が先週末に最盛期を迎え例年よりも10日ほど早く受粉作業が完了、今年の出荷時期は例年と比べて多少前倒しになりそうだという。

 今回取材に協力してくれたのは、船橋市内で梨農家を営む船芳園(船橋市二和東2-6-1 TEL047-448-2158)の加納芳光さん。「今年の梨は、3月末からの異常な暖かさもあってか10日ほど早い満開です」と話す。

 通常、船橋市内で主力品種とされている梨3品種の収穫は、「幸水」(7月終盤もしくは8月初旬~盆時期)「豊水」(盆前~8月末)「新高」(8月終盤~9月末頃)の順になる。しかし、開花は、逆順で「新高」「豊水」「幸水」の順。当然、受粉作業もこの順番で行われるのだが今年は開花が例年よりも10日ほど早く先週中頃には「幸水」梨の受粉作業がほぼ完了していたという。

 先週末に強風と豪雨があった影響で週初めから中頃までの短い間に受粉作業を行っていた市内の梨農家。「天気予報で週末が荒れると言っていたので休みなしに受粉作業をしています」と5日の取材時に話していた加納さん。受粉作業には強風や雨は天敵だという。せっかく受粉させても強風で花粉が飛んでしまうと交配に支障があるのだという。

 受粉作業は、開花から3日以内が勝負だという。天気を気にしながらの農作業にとって先週末の荒天は、生活リズムに大きな影響を及ぼした。梨農家はこの時期のほんの数日で一年間の仕事の成果を問われることになる。冬の間からたい肥作り、剪定と進めてきた地道な作業も開花時期の天候によって収量や時期に大きなずれが生じる。

 曇天が続き、気温が上がらなければ開花時期が遅れる。通常であれば、受粉作業から105日~110日程度で出荷が始められる。しかし、梨の需要がピークに達するのは、盆の帰省ラッシュ前後。この時期までに主力品種「幸水」の出荷がピークを迎えていると梨農家の収入は安定する。しかし、収量が多すぎると市場での相場が下落し、当然梨の単価も下がる。また、開花時期に今回のような強風や雨天が続くと「受粉」作業ができないために収量が大いに落ちるのだ。

 梨の花は、交配に成功するとすぐに花びらを落とし、実を成長させていく。すでに週の前半に交配を終えた「豊水」は、数日たったこの時期になると花びらを落とし実を大きくさせているのが肉眼でも確認できる。現在は効率を考え、人の手で受粉作業が行われているが、自然界ではミツバチやチョウが花に集まり交配の手助けをする。花びらは、こうした仲介者への大事な目印であると同時に植物にとっては大きなエネルギーの消耗を伴う行為でもあるのだろう。

 交配が完了するとすぐに花びらへの栄養供給を終え、結実に向かって全力で栄養を送るのだ。梨農家では、多目に受粉させた実の中から枝向きや生育状況などを見て収穫までの間に「摘果」という作業に入る。無駄な栄養を収穫しない実に与えず、出荷する梨の実に送る事で一つ一つの実を大きく実らせるために必要な工程だ。

  • 媒介者に存在を知らせるために咲き誇る梨の花

  • 近所のパートさんも交えこの時期の梨農家は大忙しだ

  • 梨畑一面に白い梨の花が咲き誇っている

  • 交配を成功させた実と、未交配の実の大きさがすでに変わってきている

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