5/14(日)ふなばしアンデルセン公園子ども美術館で「モンゴル×日本」展
モンゴルと日本の両国のアーティストの作品がコラボ
ふなばしアンデルセン公園子ども美術館(船橋市金堀町525、TEL 047-457-6661)の展示室1、2で、モンゴル出身の絵本作家と日本人の人形作家の作品がコラボレーションした企画展「モンゴル×日本 3,017km 風がつたえるものがたり」を5月13日から開催している。
同館の主幹・柴田孝利さんは「今年はモンゴル外交45周年。モンゴルと日本の交流ができないか考えた」と話す。
展示室1は「モンゴルの草原からの贈り物」というテーマで展示。モンゴル出身の絵本作家イチンノロブ・ガンバートル&バーサンスレン・ボロルマーさんの4冊の絵本の原画22点が展示されている。二人は2008年に留学生として来日後、結婚。以後、日本を拠点にして、ガンバートルさんが話の内容を考え、ボロルマーさんが主に絵を手掛け、日本では14冊、モンゴルで2冊の絵本が出版され、受賞歴も多数ある。
「モンゴルには絵本という文化がなく、日本に来て初めて知った。子どものころウランバートルに住んでいたが、祖父母は遊牧民で休暇の度にゲル(遊牧民のテントのような住まい)に遊びに行き、昔話をしてもらった。遊牧民は現在人口の15%。豊かな自然と失われつつあるモンゴルの昔話を絵本にして語り継いでいきたい」とガンバートルさん。
ボロルマーさんは「一番のお気に入りの原画は絵本『トヤのひっこし』の一場面」と話す。緻密な絵の中にたくさんの野生動物の親子を描かれている作品だ。「どの動物もモンゴルでは親しみのある生き物」とも。
そのほか展示室1では、モンゴルに関するパネルが展示されているほか、ヤギとヒツジのくるぶしの骨を使って遊ぶ「シャガイ」や「ゲル」の体験もでき、モンゴルについての知識を深めることもできる。
一方、「ふわふわ むくむく もこもこ」と題された展示室2では、福島県いわき市出身の人形作家・土屋さやかさんの雲をテーマにした作品45点を展示。シーツ用のシーチング地に綿を詰めた、独特の大小の人形の世界が広がる。「出会った子どもたちがモデル。子どものころ自然に恵まれた環境に育ち、特に雲や風にインスピレーションを受けている」と土屋さん。
一番大きな作品は「アウラー」。ラテン語でそよ風という意味を持つ。同作品は雲の形をし、縦約2m、横3.5mというサイズ。構想1年、製作に2カ月以上かかったという。「中に詰める綿はいろいろ試して、弾力や形の作りやすさからポリエステルを使っています」と土屋さん。
両展示室の天井には、紙で作られた大きな雲が浮遊し、そこにはモンゴル語でモンゴルの昔話が書かれている。その雲から雨に模したカードが下がっており、物語の絵が描かれている。ボロルマーさんは「雲がモンゴルと日本の間の3,017kmの距離を流れてきて、物語の雨を降らせている」と説明。
「モンゴルの絵本作家と日本の立体の形がおもしろい人形作家の作品を融合し、両方の作風である豊かで優しいフォルムや内容を感じてほしい」と同館の主幹・柴田さん。
同企画展は6月18日まで開催し、さまざまなワークショップも予定。5月21日は「土屋さやかと雲の人形をつくろう!」(要予約)、6月4日は「体験!まるごとモンゴル」。そのほか「モンゴルおはなし会」や「ホーミーと馬頭琴のコンサート」など。詳しくは子ども美術館(TEL 047-457-6661)まで。
ボロルマーさん(左)とガンバートルさん(右) | 土屋さんと「アウラー」 |
土屋さんの作品の数々 |
モンゴルの家具と遊び道具(シャガイ) |
土屋さんお気に入りの「プラニナタ」(左下) | ボロルマーさんのお気に入りの原画 |
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