2016年03月01日 配信

高度経済成長期に設立された京葉食品コンビナート協議会。どのような目的で組織され、目指していく方向はどこにあるのだろうか?
同協議会専務理事で京葉ユーティリティの代表でもある鹿倉美彦さん。東日本大震災後に赴任、協議会の活動や今後力を入れていこうとしていることについて話をうかがった。

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京葉食品コンビナート協議会」とはどのような組織ですか?

京葉食品コンビナートにある34社36工場(平成 28 年2月現在)をとりまとめる組織です。 43年前に同コンビナートが作られた時に、全体の意思決定機関として国の指導の下で組織されました。食品を製造しやすい環境に工場が集まることによって、首都圏への食品の安定供給と効率的な操業を実現しています。ここは5千人の人々が働く日本最大級の食品コンビナートで、蒸気や電気、排水などの共同設備を使うことでコストも削減できています。共同設備の利用により排気や排水は「京葉ユーティリティ」という共同設備運営会社一カ所で行っており、環境のプロが昼夜監視しています。

具体的に行っている活動は?

各工場に工程洗浄用の工業用水や食品調理の熱源となる蒸気を送ったり、高圧電気を自社の変電所で使い易い電圧に落として送電する一方、排水処理や、就労者のバス輸送、コンビナート内の違法駐車の取締りまでありとあらゆることに対応しています。実際には各社の代表が構成する複数の委員会が活動母体となっており、重要な判断は最高意思決定機関の理事会が開催され審議しています。

今後、力を入れていく活動はどのようなことですか?

防災です。コンビナート内で働く就労者を守ることをはじめ、2015年には船橋市と協議会で「災害発生時の物資供給協定」を締結し、災害時にはコンビナートにある水や食料を船橋市民に供給します。国が払い下げた「南極観測船しらせ」を所有者であるウェザーニューズ社から預かっており埠頭が係留基地になっています。しらせは堅牢なつくりで万一大きな津波が来ても転覆しないので、200人以上が宿泊できる緊急避難場所でもあります。また船腹の倉庫にコンビナート就労者の為の防災用品も備蓄しています。
また、コンビナート内をの各工場をつなぐ電気、水などの配管は地中ではなく空中のラックに設置されています。これが幸いして東日本大震災の時も被害が最小で済みました。
毎年5月に自衛隊の「マリンフェスタ」、6月と10月にはコンビナート企業による「バーゲンセール」、「しらせ」で隔月でイベントを行うなど、市民の方にコンビナートをよく知ってもらうためにもますます活動をしていこうと思っています。

最後に、船橋で好きな場所は?

船橋市場です。前職で魚や青果物を扱っており船橋に来た際真っ先に訪れました。いろいろな仕掛けをすれば、もっとにぎわう場所になると思います。私は神社仏閣や祭りなど下町風情のある場所が大好きで、船橋の街は大変気に入っています。

201603_shikakura_pf.jpg 鹿倉 美彦(しかくら よしひこ) 氏

プロフィール

昭和31年 埼玉県川越市生まれ
昭和50年 慶応義塾大学 経済学部入学
昭和54年 アメリカ・南ミシシッピ州立大学へ留学
昭和55年 三井物産本社入社 ニューヨークやタイに駐在
平成23年
5月
京葉ユーティリティ代表取締役 / 協議会専務理事に就任 現在に至る

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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