2009年11月01日 配信

kato.jpg 著作権法とは知的財産である著作権の範囲と内容について定めた法律で、著作物等の公正な利用と著作権保護とのバランスをとりながら、文化の発展に寄与することを目的としている。簡単にいえば他人の書いた文章や、撮影した写真、動画、CDに収録されている音楽などを勝手にコピーして使うことを禁じた法律だが、インターネットの普及などにより悪質な事例が増えたこともあり、2009年6月12日にその一部が改正された法律が成立した。(施行は2010年1月から)私たち自身にもより身近に関わるようになった著作権法について、弁護士法人リバーシティ法律事務所の加藤美香保弁護士にお話を伺った。

著作権法に関わる身近な事例を教えてください。

著作権法に関わる事例は数多くあります。インターネットを例にとると、若い人の間で人気のブログでも、他人のブログの文章や写真をコピーして、断りなく自分のブログに載せてしまうような場合は著作権を侵害することになります。正規のCDをコピーして音楽を配信したり、販売したりすることも著作権を侵害しているといえます。今回の改正ではCDの海賊版などの販売のみならず、インターネットオークションに出品する行為にも罰則が適用されることになったので注意して下さい。他の例としては、ビジネスマンが会議で使用する資料を作る時に、参考にする新聞や本をそのままコピーして配布する場合なども著作権を侵害する場合があるので注意が必要です。


今回なぜ著作権法の規制が強化されたのでしょうか?


インターネットなどの普及により、不正にコピーした海賊版などの販売や、違法な配信を行う行為が増えていることが大きな要因です。現状は違法なコピー等の流通が正規の市場を上回りつつあり、こうした行為の規制の実効性をあげるために、いわゆる海賊版CDは販売行為のみならずインターネットオークションへの出品自体が規制されたほか、違法に配信された音楽や動画であることを知りながら、その音楽や動画をダウンロードする行為も違法となりました。

罰則の重さはどれくらいなのでしょうか?

インターネットオークションへの出品や販売の場合、罰則として科せられるのは、1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですが、その両方が科せられることもあります。最近になってエクササイズのDVDをコピーしてインターネットオークションを通じて販売していた女性が逮捕されたり、映画をコピーしてインターネット上で無料配信していた消防士が逮捕されたりと著作権法違反の逮捕事例が増えてきています。著作権法に触れる事例がより身近になっていますので、十分に注意しましょう。

加藤弁護士プロフィール
加藤美香保
早稲田大学商学部卒業。 平成16年、弁護士法人リバーシティ法律事務所入所。不動産に関する法律や会社法などの案件に強い関心をもつ。「知って得する定年講座」(秀和システム・共著)などの著書も多数あり、最近の著書に「図解入門ビジネス最新著作権の基本と仕組みがよ~くわかる本」(秀和システム・共著)がある。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード