船橋の原点を思わせる伝承や史跡に彩られる海神。この町に眠る興味深い史跡や旧跡と、心通う温かみのある商店街を訪ねる。ふるさとの歴史と人情に触れ、懐かしい船橋の姿に思いを馳せてみよう。
古い歴史に彩られた海神
海神は船橋の中心地に隣接する町。「うみのかみ」と書いて「かいじん」と読むように、何やら由緒ありげな名前を持つ。実はこの町、船橋の原点ともいうべき多くの伝承や史跡を有する町なのだ。「意富比神社鎮座伝記」や船橋大神宮の由来を記した「大神宮縁起」によると、日本武尊が東征の折、今の船橋に上陸しようとしたところ賊の抵抗に遭い大変に苦戦した。するとある船の中に光るものが
あり、それは三種の神器と同じ鏡だった。その鏡の神威で賊を破り、無事に上陸を果たせたので、この地を海神と呼ぶようになったという。
この鏡が最初に安置されたのが、入日神社で、のち船橋大神宮に移されたという。また、龍神社も海神を祀った神社と思われる。海にまつわる寺社では、大覚院も龍神社の別当を務めていた寺院で、海上の安全を
祈る寺だった。
その他、海神には、縄文時代の遺跡である飛ノ台貝塚や念仏堂、観音堂などの史跡や旧跡が点在するので、歴史に思いを馳せながらの散策をおすすめしたい。
むかし懐かしい
ハートフルな海神商店街
海神散策のベースにしたいのが、京成海神駅を中心に広がる海神商店街だ。この商店街を表現するなら、「生活に必要なものがほとんど揃う、歩いて暮らせる町の商店街」ということになるだろう。青果、鮮魚、生花、文房具、畳屋、ふとん屋、美容室、クリーニング、そして寿司、中華、蕎麦、居酒屋、和菓子店、洋菓子店などが見事に揃っている。
そんな商店街の憩いの場が「ハートフル海神」だ。ここは商店街を訪れる人が休憩できるようにと、椅子やテーブル、トイレ、そして飲み物(有料)が用意されているコミュニティスポット。(利用料100円・小学生以下は無料)
商店会長の中野松江さんは、
「ハートフルとは思いやりの意味です。海神商店街を老いも若きも集まる場所にしたいとの思いでハートフル海神を作りました」
と語る。もちろん、海神めぐりに訪れた人も利用できるのでぜひ立寄ってみよう。
海上の守護神として信仰が厚い。沖行く船のための灯籠があった。
弘法大師ゆかりの石芋伝説の池。この池で石芋の芽が出たという。
赤門寺の名で親しまれる真言宗豊山派の寺。海上安全をつかさどる。
船橋大神宮の元宮といわれる。最初に海神を祀った由緒ある神社。
33体の観音像が安置される。脇には元禄7年の市内最古の道標がたつ。
江戸時代を遡る創建の古刹。本尊の阿弥陀如来像は鎌倉時代の作。
高台のこの辺りには大きなお屋敷が建ち並ぶ。かつての映画のロケ地。
海神商店街のお休み処。
オープンは月~金曜日
10:00~16:00まで。
海神商店街のはずれにある花が植えられた小公園。桜の木もある。
約7000年前の縄文時代の遺跡。貝塚や住居跡を復元した史跡公園。
飛ノ台貝塚を解り易く開設する博物館。縄文土器など見応えがある。
思いやりのある商店街を目指し「おおらかに、物腰低く、いつの日も、優しさ添えて、凛々と」をコンセプトに掲げる。
問い合わせ先
海神商店街
(グリーンハウス ナカノ内)
船橋市海神4-11-7
TEL:047-431-3925
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください