2009年03月01日 配信

福祉を支える和のちから

船橋梨香園 永原丈士 

昭和62年5月、父の念願であった特別養護老人ホーム船橋梨香園がオープンした。

明るい施設をつくりたいと言う強い意志で土地探しから始まり、願いの叶った日である。

理想としていた土地も理解ある地主さんに恵まれたお陰と常々話しており、その時から私もこの道に足を踏み入れることになった。

当時は船橋市内で3番目の施設(定員50名)として開園したが待機者は少なく東京から数人入所していただいた経緯がある。現在は16施設と増えたが待機者は多い状況にある。

昭和62年開設時の船橋市の高齢化率(65才以上人口が総人口に占める割合)は6%台で100才以上の方は3人、平成20年には高齢化率が18%台に推移し100才以上の方が90人を超え、いかに高齢化が進んでいるか明白である。

建設に当たっては日本小型自動車振興会・千葉県・船橋市などから補助金、(財)中央競馬馬主社会福祉財団・中山馬主協会から助成金をいただいた。オートレースや競馬の収益金の一部が社会福祉施設に役立てられている事をこの時初めて知り驚いた事を記憶している。

 

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園当初から、笑顔で明るく美しく温かみのある、そして開放的な施設を目指して職員一同手探りでスタートしたがご入居の方はどうも遠慮がちでやはり外の空気が必要でありボランティアさんが来て下さる事を願っていた。

そんな折、ご入居の方々からお寿司を食べたいとの要望があり、当時の船橋鮨商組合長であった椎橋敏雄様に意向をお伝えしたところ、心良くお引受けいただき翌年から年3~4回来園され皆さんの前でお寿司を握っていただいている。組合長退任後も有志の方々と現在も継続中で、ご入居の皆さんも大変喜ばれている。

又、船橋市社会福祉協議会から個人やグループのボランティアの方々を紹介していただき多くの心優しいボランティアの方が爽やかな風と共に来園、活動を続けて下さっている。しかし、開設当初からのボランティアさんも年を重ね親を看る事になったからと去っていかれる方々もあり、寂しい想いに駆られる事もある。しかし、今年88才になられる方が自転車で駆けつけて下さる姿に接するにつけ感謝の気持ちと頑張らなければと一層身の引締まる思いとなる。

 

soumeikai_2.jpg又、嬉しいことにお隣りの東京学館船橋高等学校から吹奏楽部の生徒さん達がクリスマス会の日に来園、ご入居の皆さんの前で演奏して下さっている。このコンサートも20年続いており、曲目はジングルベルや懐かしい歌謡曲、童謡そして時代劇スペシャル(銭形平次・水戸黄門・暴れん坊将軍の主題歌)等選曲にも温かい心遣いが伝わってくる。ご入居の皆さんは満面の笑みで会場は幸せなひとときになり、職員も一緒に喜んでいる姿を見ると涙腺もつい緩み、年齢を感じる一瞬である。

さらに地元中学から体験学習、県立豊富高等学校からは社会福祉実習など、地域との関わりが年々深くなっている事を実感している。

これがご縁で、この4月からの介護職員新規採用に当たり県立船橋豊富高校と東京学館船橋高校から1名ずつ迎えることとなった。

今、介護の仕事が敬遠されがちであるが、施設を見て希望してくれる事は喜ばしい限りだ。施設への入所については、平成12年4月から介護保険制度が始まりそれ迄の行政からの措置入所が入所希望者との直接契約となった。

「官から民へ」という言葉をよく見聞きする昨今であるが、福祉を支えるには官と民の協力が必要であると感じている。

開設以来、行政・地域の方々・ボランティアさん等多くの方々からの支えがあって今日があることに感謝し、これからもより良い施設を目指して進んで行きたい。

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