ホテル外観。地上11階建てで、感染者は4階以上の主にシングルルームを使用(3階までは支援者等が滞在)。受け入れ可能人数は約100人。全客室数128室のうちゾーンを決めて活用する
「船橋第一ホテル」(船橋市湊町2)で4月30日から、新型コロナウイルスの軽症・無症状者の受け入れを始めた。
船橋市の感染者数は5月6日現在118人で、県内で最も感染者数が多い。ホテルを確保するまでは、医療機関の入院患者数以外に自宅療養している人もいた。
船橋市新型コロナウイルス感染症対策保健所本部の筒井保健所長は「今確保しなければならないことは、感染者と今後罹患する人の命を守る体制の強化。そのために、症状に応じて確実に医療が関われるシステムを確保する必要があります」と話す。
①感染拡大防止と急性増悪に迅速に対応するため、できるだけ自宅療養を避ける
国は、軽症・無症状者についてはホテル等の宿泊施設の利用だけでなく、自宅療養を選択肢の一つとしてきたが、船橋市医師会と船橋市は当初から自宅療養については問題意識を持ってきた。同居家族の感染リスクを増大することにつながり、感染を拡大する要因になり得るため、家族とは異なる場所で医療の対応を受けるべきと考えている。
また、新型コロナウイルス感染症の特徴として、短時間に感染者が急性増悪のリスクがあるため、医療機関と連携し緊急対応できる環境をつくる必要がある。
②医療崩壊を防ぎ、重症化する感染者を確実に医療につなげ命を守る
船橋市では、帰国者、接触者外来を設置している医療機関で入院患者を受け入れている。軽症者の入院が多くなることで重症者の入院治療が行えなくなる懸念がある。
PCR検査外来(ドライブスルー方式)を含めたPCR検査実施の前提として、軽症者の受け入れ先として、ホテルで宿泊療養できる体制の確保が必要になる。
ホテルを活用した軽症・無症状者の受け入れは、医療体制の崩壊を防ぎ、重症化した人を確実に受け入れる体制の基盤になる。今後は、感染が確認され家で療養している軽症・無症状者、入院している軽症・無症状者のうち、ホテル療養で対応できる人はホテルで療養してもらい、軽症、中等症、重症の適切な症状に合った医療を受けられる体制確保を目指すという。ホテル退所の条件は、PCR検査で2回陰性になること。
ホテル内において感染拡大を防ぐために、感染者が療養する区域であるレッドゾーンと支援者等が滞在するグリーンゾーンによるゾーニングを行った
オンコール24時間の医師などによるサポートやPCR検体採取、保健師または看護師が常駐(日中=市保健師1人、夜間=派遣看護師1人)、市の職員9人がローテーションで24時間、健康観察、食事の提供、ごみの回収、そして緊急時の支援を行う。
※5月6日の情報に基づいています
船橋市新型コロナウイルス
感染症対策 保健所本部
ホテル班
TEL 047-409-1898
※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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