2023年06月29日 配信

各校ともに特色が違う市内の学校。市内の学校を巡りながら、各学校の特徴も発見していきましょう!

県立薬園台高校園芸科


薬草園にちなんで名づけられた薬園台
江戸時代中期(八代将軍吉宗の時代)に小石川養生所(幕府が設置した無料の医療施設)の薬草園がこの地にあったことから、薬園台という名前になったそう。約6年前に町名の由来となった薬草園を復活させようと作った薬園台高校薬草園には、薬用サルビアやラベンダーなどを栽培。現在は工事中

 昭和38年に開校した薬園台高校は、普通科だけでなく市内では唯一の園芸科があります。各学年の普通科は7クラス、園芸科は40人の1クラスのみ。園芸科には学区の制限がなく、県内どこからでも志願することができます。

 校内に園芸科が実習を行う農場があり、5つの温室と4つのビニールハウスのほか、野菜や果樹などの畑が広がっています。実習は、1年生は露地野菜、施設野菜、草花、果樹、造園の5班に分かれてすべてを体験。2年生になると5つの中から学びたい分野を1つ選んでさらに詳しく学び、3年生では各自の課題研究(卒論)に取り組みます。毎年1月には3年生の課題研究発表会も行われています。

 コロナ禍前は小学生と一緒に野菜の苗の植え付けから収穫までを一緒に行うなど、交流も盛んでした。最近では小学生が授業の一環で来ることもあり、質問に生徒らが答えることも。「野菜や花の販売を通した地域交流は、園芸科の大きな特徴」と髙野裕校長が話すように、校内の「農産物直売所」で販売する野菜は、地域の人からも人気です。

 卒業後は農業系の大学や専門学校に進学したり、フラワーデザインや造園関係の仕事に就いたり、就農する生徒も毎年2、3人いるという同校。農場長の阿部育代先生は「農業を盛り上げてもらえるとうれしい。卒業後も日本の産業や食料、環境などに関心をもった大人になってほしい」と期待を込めます。


広々とした畑と直売所もある学校
新京成線習志野駅から徒歩5分の薬円台小学校の向かい側にあります。現在、校舎の改築で正門は閉鎖中。農場門から校舎に向かう道は広々とした畑が見渡せて季節を感じることができます


新鮮野菜や草花を販売
農薬をできるだけ使わず、丁寧に育てた野菜や果物は「甘みと深みがあり格別な味」と教頭先生も太鼓判を押しています。実習時間内に生徒自ら販売。のぼりが立っている時が販売の目印に


梅の実は収穫して袋詰めも
梅の実は収穫して、選別、袋詰めを行います。毎年楽しみにして、買いに来る地域の人も多いそう。「梅は香りもいいし、選別も楽しい」と笑顔で話す生徒ら


温室の中は野菜や空中栽培のスイカも
小学1年生が生活科の授業で来校。「何の野菜か分かるかな?」と阿部先生が質問すると大きな声で答えていました。メロンやスイカは支柱やネットで立体的に育てる空中栽培の実験中です。ブドウは灌水の間隔や剪定の比較でどういう差があるかなど、実験用に育てています


季節ごとの花は地域の方から人気
病害虫予防のための実習をしている生徒(左)。1苗50円からの花の苗も。丁寧に育てたカーネーションは、母の日のシーズンにはあっという間に売り切れるほど人気


露地野菜の栽培市内唯一の「アメダス」も
ジャガイモ、キュウリ、トウモロコシなど露地野菜も栽培。中には「調査研究中」という札も。船橋の中央あたりに位置していることから、農場の一画には市内唯一の気象観測所「アメダス」が設置されています


造園の実習では木の刈込みも
バランスを見ながら生け垣を刈込鋏でバサッと切りそろえています。農場にある松もきれいに剪定されていました

記者が感じた
薬園台高校園芸科と地域の特徴

◎このエリアに薬草園があったことにちなんで薬園台になったということを初めて知りました。昭和48年の住居表示の実施に伴い「薬円台」に変わりましたが、旧名が残っている場所もあるそうです。高校は「薬園台」、目の前の小学校は「薬円台」と漢字が異なります

◎小学生が授業の一環で来校したり、近所の方が野菜を買いに来たりするなど、日常的に幅広い年齢層の人と交流ができるのはとてもいい経験だと思いました。取材中もひっきりなしにお客さんが来て、丁寧に接客する生徒の様子が印象的でした

 

 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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