2016年05月01日 配信

201605_funaichi01.jpg

この人に聞きました!

株式会社ベジックス 代表取締役
榊原裕之さん

船橋市場で青果仲卸業を営む株式会社ベジックスの創業は、船橋市場内の仲卸では比較的新しい平成7年。八街・富里地区の産地問屋4社が八街市に籍のあったベジックスに共同出資して商いを始めた。初代の社長には、共同経営4社から久保商店(八街市)の社長が就任。同じく株式会社榊原(富里市)から榊原裕之さんが実務担当者として出向、平成10年に二代目社長に就任した。裕之さんは、自動車メーカーでメカニックとして腕を振るっていた過去を持つ。青果仲卸としては、全くの未経験だったが、創業当時取引先に2件のスーパーのみのでスタート。「顧客からの紹介や営業で現在は20社まで取引先が増えました」と、朝は船橋市場で働き、昼から富里の産地問屋で働くという掛け持ち時代を振り返る。
15年ほど前は、雪深い北海道や山形、富山、新潟へ冬季に千葉の野菜を「転送」する業務もニーズが高かった。また、地方の小さな市場へ商品を供給する「転送」などもニーズがあり、隙間を見付け、商機を見出して成長してきた。しかし、「運賃の高騰と携帯電話(主にスマートフォン)やインターネットの普及で市場間の相場や情報の平準化が行われ、ニーズがなくなりました」と話す。
船橋市内には100件以上のスーパーがあるが、全てのスーパーが船橋市場から仕入れているというわけではない。青果仲卸間でアナログな情報交換を密に行い、互いに連携しながら船橋市場の取扱高を増やすことに力を注いでいる。ちなみに、船橋市場の取扱高が増えることで市の税収に大きく貢献するのは、当市場が市営の市場であることを申し添えておく。
創業当時と比較すると市況は厳しくなっているが、隙間を見付け、新しいニーズを生み出すための工夫も怠らない。大手コンビニチェーンの店頭で最近とくに見られるようになった野菜の直売は船橋市場が仕掛けた事業だ。
今後は市場流通外の商品を厚くすること、産地ならではのこだわりの野菜を「だれがどんな場所で作ったものなのか、そのストーリーを大切にしてブランド化して販売していきます」と苛烈な競争を強いられている市場間の生き残りに策を見出す。

201605_funaichi02.jpg

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード