2023年11月30日 配信

コラム
地域でお金を回すこと vol.42

地域が持つ当たり前の価値

 全国各地で地方創生とか地域活性化を目的としたさまざまな取り組みが行われています。日本を元気にするためには地方や田舎を含めたそれぞれの地域が特色を出し、自分たちの町の価値を磨くことが欠かせないと思います。同時に「それらの価値をどのように消費者に伝えるのか?」という技術を磨く必要もあると思います。

 「日本中探してもここにしかない」というわかりやすい価値を持つ地域もあるでしょう。逆に豊かな自然とおいしい水、地元野菜などのように全国どこの田舎に行ってもみられる特徴が自慢の地域もあるでしょう。この比較対象の多い特徴を軸にして地方創生とか移住促進を掲げるから足の引っ張り合いになるのです。どの地域に行ってもその土地だけの価値、その地域だけの特徴というものは必ずあります。

 地域に住む人とその地域にあるコミュニティ、そして過去から脈々と積みあげられてきた歴史・文化もそれにあたります。どんなに人口が減っている地域でも人が住んでいます。その地域に住む人たちの営みがあります。確かに人口が多い都会の方が消費する場所は多いでしょう。お金を払えば何でも購入できるでしょう。一見便利に見えるでしょう。逆に人口の少ない場所は刺激が少ないように感じられるかもしれません。地方に行くと「年に一度、この祭りだけは都会にいった若者も戻ってきて盛り上がるんだ」という話を聞きます。数千人しか住んでいない街なのに、数万人規模の人が集まって数日間かけて盛り上がります。地域の若者はそこで異性と出会い、友人や先輩後輩と信頼を確かめ合い、高齢者を敬い、郷土愛を育みます。私たち日本人はそうした歴史や文化をどの地域にも持っています。いや、私たち日本人だけではありません。世界中のどの地域でも自分たちの歴史をつむぎ、文化を育んできました。

 私たちが、観光旅行に出かけるとき必ず異文化にふれにいきます。地域独自の食を求めたくなります。旅行に行ったときに世界中どこにでもあるチェーン店で食事をしようという人はそれほど多くないでしょう。実は私たちの日常は外の人から見ると常に「異質」で「異文化」です。最初はあたらしい発見のため他の地域を訪れます。しかし、その地域に住む人たちのコミュニティにふれたとき、都会では見つけられなかった自分だけの居場所を見つけるのだと思います。地方が廃れていくのではなく、私たちの心が廃れていっているのかもしれません。日本人が本来持っている「清潔さ」「礼儀正しさ」「思いやり」「真面目さ」などが忘れられ、同質性だけを追い求めることからどの地域も都会の廉価版になってしまうのではないでしょうか。僕は全国各地でその土地のものを食べ人と話すのが大好きです。城や寺、神社にまつわる歴史を知るのが大好きです。きっと、読者のみなさんもタイに行けば寺院を見て、ヨーロッパに行けばキャッスルや教会を見学するでしょう。いまこそ、自分の足元にある「当たり前」という宝物の価値を見直し、それを磨き地域の宝を外に向けて発信していくことが必要なのではないでしょうか?

この記事を書いた人
株式会社myふなばし・株式会社フィット 代表取締役 
船橋経済新聞&外房経済新聞 編集長
市場カフェ マスター
一般社団法人船橋市観光協会 
包括地域プロデューサー
山﨑健太朗

Twitter(@ MyFunabashi
ほかにも、さまざまな情報発信をしています!
★YouTube「やまけんちゃんねる」山﨑が船橋市内中心に活躍している経営者をゲストに呼んでインタビューしています
★note「やまけん
★ブログ「主婦と高齢者で地方活性化を実現する編集者・ライターという働き方

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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