2023年08月30日 配信

コラム
地域でお金を回すこと vol.40

アカウント社会と時間消費

 私たちが生きている現代社会において「アカウント」は生活に欠かせないものの一つです。SNSやスマートフォン、家電、通販、旅行に電車・バスの移動…インターネット経由で何かを購入したり、デジタルを経由したり、リアルな店舗で買い物しても問合せ先は24時間無人応対可能なAIを活用したチャットボットという場合も。お散歩好きな方の「健康ポイント」もアカウント管理しています。それらのデータは利用者の許可を得て、集約され消費データや行動履歴、健康データとして個人と紐づけられ、商品提案、健康管理など生活環境や消費行動を促進させるために活用されます。

 パスワードなど個別アカウントの管理が面倒な場合、欧米系の巨大ネット企業のアカウントに紐づけすることで入力を省略して認証を行う場合も少なくないでしょう。そうした企業は自社のサイト上での消費や行動・検索履歴などをもとに売上を立てていきます。私たちの「行動」つまりどんな「時間」を過ごしてきたのかという情報は、今度どんな時間を過ごすのか?という消費行動に直結するので世界中の企業が関心を持って収集していきます。現代社会では、多くのビジネスで私たちがどんな時間消費をしたか?ということを主眼に構築されています。

私たちは皆、新しい社会の住民

 私たちの多くはスマートフォンやテレビ、ゲームなど自然あふれる現実社会とは異なる新しく人の手によって作られた空間で時間消費を行っています。SNSを見て過ごす時間、ネットに録画されたドラマや映画を観る時間…、若い子たちはゲームの世界で「冒険者」として多くの時間を過ごしています。どこに住んでいるか?よりもフォロワー数の多く紐づいた「アカウント」を持っている事の方がコミュニケーションしやすく、お金を生み出せる可能性が高い社会に住んでいます。それだけに、この新しい社会に参加する住人はとても多く、今後も新しいデジタル空間でのコミュニケーションは増え続けていくでしょう。

 一方でリアルな人とのつながりを求めて人と過ごす時間を重要視する人、デジタルデトックスと称し、あえてインターネットの繋がらないキャンプ場や山奥の古民家に行き仲間や家族との時間を重要視する人も増えています。私たちの運営する市場カフェでもカフェスタッフとの会話を求めて来店する方、交流会を求めて訪れる方も少なくありません。

 限られた時間をどれだけ大切に過ごすのか?リアルとネットどちらの時間をどれだけ過ごすのか、そのバランスこそが社会の在り方の一つになるでしょう。楽しい友人と過ごす時間、わざわざ会いに行く事の価値。ともに過ごす濃厚な時間の贅沢さ。そうしたものを感じさせる場所が地域にたくさんあることが地域の価値を生み、地域にお金を落とすきっかけになり、地域に人が居つく理由になるのだと思います。オンラインとリアルどっちが良いとか悪いとかではなく、地域ならではの価値をどの様に発信しどの様に時間を使ってもらうのかというところに地方創生のヒントがあるような気がします。

この記事を書いた人
株式会社myふなばし・株式会社フィット 代表取締役 
船橋経済新聞&外房経済新聞 編集長
市場カフェ マスター
一般社団法人船橋市観光協会 
包括地域プロデューサー
山﨑健太朗

Twitter(@ MyFunabashi
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★YouTube「やまけんちゃんねる」山﨑が船橋市内中心に活躍している経営者をゲストに呼んでインタビューしています
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※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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