2022年12月29日 配信

コラム
新型コロナの先にあるもの vol.33

商店会の活性化って可能?
 船橋市内には現在でも50を超える商店会が存在しています。特色を持った個人店の集まりが駅前や団地、住宅街など人が生活する場所で連携を取りながら活動しています。

 商店会の多くでは高齢化が進み、事業継承に不安を持っている商店も少なくありません。実際、商店会の中にある店舗がシャッターを降ろしたままでしばらく開いていないという商店会も。また、営業こそしているものの店頭に並ぶ商品数が少なく、埃をかぶってしまっているという個人店も散見します。地方では大規模商業施設や大型店舗がバイパス沿いで勢力を伸ばし、駅前商店会が寂れてしまっている例も。商店会の時代は、もう終わりなのでしょうか? 商店会は役割を終え、解散せざるを得ないのでしょうか?

 皆さんは商店会の魅力って何だと思われますか? どこよりも安い商品や豊富な商品数でしょうか?安いものが欲しいだけの人は大型商業施設やドラックストア、百円均一、ディスカウントストアで買い物します。消費者が商店会に望んでいるのは「店主とのふれあい」であり、長年積み上げてきた店主の「商品知識」です。個人商店が、上場している百円均一チェーンと安さと品ぞろえで勝負して勝てるわけがありません。ハサミを安く買いたいだけの人は百円均一に行きます。でも、地域の文房具店で店主と話をするついでに何かを購入するという人は商品を100円で購入する必要はありません。

 
得するまちのゼミナール「まちゼミ」の開催
 北習志野駅前の「エビスきたなら商店会」で 、4 月に向けて「まちゼミ」開催準備をしています。「まちゼミ」は、愛知県岡崎市で始まった事業で、全国各地の商店会で開催実績を持ち、そのほとんどが大成功しているという素晴らしい事業です。普段、気軽に入りにくい地域の個人店ですがそれぞれが持っている専門知識や店主の個性を活かした「講座」を立ち上げ、一般消費者が専門家に聞きたい「ちょっとした知識」について学びの機会を設けるもの。「講座」を受けながら店主の人となりにふれ、ファンになり、固定客につながっていきます。こうした成果が全国各地で報告され、これまでに450近くの商店会、4万店舗近くの個人商店が参加しているというから驚きです。「講座」自体はそれほど難しいものではなく、化粧品店が「まゆげの描き方講座」や、「初級セルフエステ講座」を開催するように当たり前の知識を披露しているのです。中には、靴店の店主が趣味で行っていた「包丁研ぎ」を講座にし、多くの人が興味を持つことが分かったため靴の修理をする傍らで「包丁研ぎ」の注文も受けるようになった例も(船橋市内高根木戸にある商店会での事例だそうです)。商店会の魅力は、安さや豊富な商品数ではなく「店主」そのものなのです。消費者は店主の魅力、店主との会話を楽しみたくて個人店に足を運びます。「まちゼミ」はそれをわかりやすく浮き彫りにする企画なのです。4月の開催は「エビスきたなら商店会」単独でなく、周辺4商店会との合同開催も視野に入れているそうです。とっても楽しみですね。
 
この記事を書いた人
株式会社myふなばし代表取締役 
一般社団法人船橋市観光協会 
包括地域プロデューサー
山﨑健太朗

Twitter(@ MyFunabashi
ほかにもさまざまな情報発信をしています!
★YouTube「やまけんちゃんねる」山﨑が船橋市内中心に活躍している経営者をゲストに呼んでインタビューしています
★note「やまけん
★ブログ「主婦と高齢者で地方活性化を実現する編集者・ライターという働き方
 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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