求められる「訪問医療」というスタイル
あい在宅クリニック。一番左が院長の塚本哲也さん
計画的に患者のところへ医師が赴き、診察、治療、点滴や薬の処方、療養上の相談、指導等を行い、時に入院医療機関との連絡・調整などを行うこともある。そして患者の療養生活を支える看護師、ケアマネジャー、薬剤師等と連携し、住みなれた場所での、その人らしい生活の継続を目指す医療になる。
船橋総合病院は、「訪問診療」があまり社会に浸透していなかった30数年前から、患者の「家に診察に来てほしい」という思いに応える形で開始。
「訪問診療」は、在宅医療支援拠点、ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、地域の開業医、患者(家族)による相談から開始し、訪問歯科、訪問看護、訪問薬剤、訪問介護、介護施設、医療機関、地域包括支援センター、保健所などの機関との連携が欠かせない。
現在船橋市には、「船橋市在宅医療ひまわりネットワーク(2013年)」、船橋市医師会による「船橋市在宅医療支援拠点ふなぽーと(2015年)」があり、在宅医療を支え、啓蒙する活動は充実している。
船橋総合病院附属の「あい在宅クリニック」(船橋市北本町2-66-20、☎080-7169-4670)が6月1日に、「悠翔会在宅クリニック船橋」(本町4-40-8、☎047-407-0930)が7月1日に開院した。どちらも「訪問診療」が専門。
2025年人口約64万人の約24%が高齢者となる船橋では、通院困難で「訪問診療」を求める声が年々増加。医療の発達により長寿が叶い、自宅生活を支える介護体制も充実。コロナ禍による「ステイホーム」の推進もあり、できるだけ在宅医療を活用して自宅で頑張りたいという要望も増えている。
船橋総合病院の医療ソーシャルワーカーで、同クリニックの院長室室長の橋本さん(10・11ページ参照)は「自宅のリラックスした中での会話だからこそ、人生の最終段階のことなど話したいことを話せたと言われたこともあります」と話す。
「訪問診療」は、入院機能・外来機能に次ぐ第三の機能。「船橋市にはこの三つの機能があります。さらにそれらを支える船橋市、船橋市在宅医療ひまわりネットワーク、在宅医療支援拠点ふなぽーとがあり、全国的にもこれ以上ない強固な地域包括ケアシステムだと思います」と、船橋総合病院院長であり、あい在宅クリニックの院長塚本さんは話す。
「その人らしく生活するための秘訣を一番知っているのは本人です。また、今まで関わった多くの患者さんたちから教えてもらった知恵もあります。目の前の患者さんの考えと多職種の力、今までの知恵などの力を合わせ、これからも地域に貢献します」とも。
今日も船橋で、医療・介護・福祉が連携し、船橋を支えている。
悠翔会在宅クリニック船橋。右から2番目が院長の稲次忠介さん
船橋総合病院院長 あい在宅クリニック院長 塚本哲也さん
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