2024年01月01日 配信

2人の船橋市民が立ち上げた難病患者コミュニティ

 厚生労働省が定めた指定難病のひとつに、筋萎縮性側索硬化症、略して「ALS」と呼ばれる病気がある。治療方法がなく、難病患者は、病気の進行や不自由な環境と闘いながら日々を送っているという。そんな孤独になりがちな療養生活に集いの場を作ろうと、市内に住む2人のALS患者が2019年、難病患者の交流会「icotto(イコット)」を発足。現在は全国の難病患者に関わる220人が集まるオンラインコミュニティとなっている。

自らも病と闘いながらオンラインコミュニティを運営

 「icotto」の主宰は、船橋市に住む前田理恵さんと丸山明子さん。2人はそれぞれにALSを患い、船橋市保健センターの計らいで出会ったことを機に「難病と闘う患者と家族が、気軽に話をして心が明るくなる場があったら」と同会を発足した。名前の由来は「気軽に行こっと」というイメージからつけたという。

 「指定難病に入る疾患は330以上もありますが、icottoでは疾患に関係なく、患者や家族、さらに医療、介護、セラピストなど患者をサポートする側の人も参加できます。それは、患者の思いや生活の様子をより多くの人に知ってもらい、理解してもらいたいと思ったからです」と前田さん。

 以前はリアルイベントを船橋市内で開催したこともあったが、現在はオンラインによる交流会が主な活動となる。この会に参加するには、icotto公式LINEの登録が必要となり、登録者専用のLINEグループ「イコッとーく」で情報交換を常時行うことができる。

 前田さんと丸山さんは「闘病を続けていると、一人だと考えすぎてしまい、絶望と孤独しか見えなくなってしまうことがあります。人とコミュニケーションをとることで、気持ちが明るくなるし、元気になれる。新しい出会いや繋がりができるなど、喜びや楽しみも生まれます。それに、実体験をもとにしたリアルな情報が得られる場も必要だと思います」と話す。

オンライン交流会ではさまざまな情報を共有

 毎回テーマを変えて年6〜7回ほどZООМを使ったオンライン交流会を開催するほか、ゲストを招いてのオンラインセミナーなども行っている。いずれも難病患者や家族だけでなく、介護・難病支援に携わる人も参加可能。「現在、icottoの活動紹介、交流会の告知などはFacebookで発信していますので、関心のある方はぜひそちらをチェックいただければ」と前田さんは呼びかける。


前田さんとともに代表を務め福祉る丸山明子さん。前田さんは(一社)日本ALS協会の理事、丸山さんは千葉県支部長も務介医療めている


2023年最後の交流会テーマは「伝え合い」。リハビリロボット「HAL」、呼吸器リハビリ機器LICトレーナー、立てる車椅子「ペルモビール」、視線入力装置「トビーTDパイロット」など実体験の伝え合いも

取材協力


icotto代表/一般社団法人日本ALS協会理事
前田理恵さん

 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード