2024年01月01日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

船橋市農業委員会 会長 岡庭一美さん

船橋市農業委員会 会長 岡庭一美さん
1955(昭和30)年船橋市出身、三咲小学校、御滝中学校、佐倉高校卒業。千葉三越の前身「ニューナラヤ」で勤務した後、1976(昭和51)年、父・太一さんの死去に伴い就農。実家の屋号は「たっつぁん」。農家としては新しい技術を取り入れた農業を常に目指す。18年間、船橋市農業モニターを務める。その後、農業委員、会長職務代理者を歴任。2017年から現職、現在3期目。
 船橋市役所の中に事務局がある「船橋市農業委員会」。同委員会はどのような組織で、どういった活動をしているのか?
2023年7月に3期目の任期を迎えた岡庭会長に、同委員会について教えていただきました。
 
船橋市農業委員会の目的
・農業の担い手への農地利用の集積・集約と同時に遊休農地の発生防止・解消
・農業への新規参入の促進
・農地法に基づく農地の売買・貸借の許可、農地転用案件への意見具申など、農地に関する事務
農業への識見がある「農業委員」と「推進委員」で構成
 
MF●船橋市農業委員会とはどのような組織ですか
 
岡庭さん●農業委員会は全国の市町村ごとに設置することになっている(例外を除く)委員会です。市長が議会の同意を得て任命する「農業委員」が14人と、農業委員会が委嘱を行う「農地利用最適化推進委員(以下、「推進委員」)」13人で構成されています。
 
MF●委員会にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか
 
岡庭さん●まず、農業委員は、半分以上が認定農業者、つまり、担い手であることが決められています。公募していますし、各地区や農協からも推薦者を出し、副市長などとの面接、議会での同意を得てから任命されます。特に女性と青年の積極的な登用が勧められています。また、委員の中には中立委員が必要なので、千葉大学大学院で園芸学研究科の非常勤講師をしている方もいらっしゃいます。任期は3年で、2023年7月から新体制になったばかりです。
 
MF●「推進委員」についてはどうですか
 
岡庭さん●推進委員も同じく公募しています。推進委員は地区の担当が割り振られ、実際にその地域を見て回る現場担当者なので、やはりその地域における農業への識見があることも重要になります。こちらも同じく任期は3年となり、若い方や最近就農した方にも活動してもらっています。
 
「農業を守りたい」農地を守り、農業の価値を高める
 
MF●実際にはどういった活動をされているのでしょうか
 
岡庭さん●そうですね、ひと言で簡単に言うと「農業を守りたい」、これに尽きます。農業を守るためには、農地を守らなくてはいけない。畑は一度、雑草が生えてしまうような遊休農地になってしまうと、もう農地として活用するのは難しい状態です。せっかくの農地ですから、そのような場所がなるべく発生しないようにする必要があります。では、なぜ遊休農地が発生するのかと言えば、農家に後継者がいない。後を継がない理由には「農業が儲からない」と考えているといった理由が挙げられます。農業を続けていくためには、農家が経営者として利益を上げられるようになっていないといけない。このようなことを適正な方向に進めていけるように仕掛けていくのも農業委員会の役割です。そのためにも、推進委員が現地訪問をして回り、遊休農地の把握・解消などにつなげています。
 
MF●農地のパトロールをされているのですね。そういえば農地の売買や転用が発生した場合も、農業委員会へ行く必要があると聞きましたが、そうした手続きの窓口もされているのですか?
 
岡庭さん●そうです。例えば「農地を手放したい」という話などを受けるのも私たちです。そのような農地の権利移動などが発生する場合は「審査会」を開き、そのうえで許可の可否や意見を農業委員会総会で決定しています。
 
市民に農業をPRする「船橋市農水産祭」
 
岡庭さん●市民のみなさんにとって、私たちの活動が認知されているのは「船橋市農水産祭」が大きいかもしれませんね。
 
MF●11月の農水産祭(東武鉄道船橋駅コンコース会場)では岡庭さんもご挨拶されていましたね。
 
岡庭さん●このような活動を通して、船橋市のみなさんに農業があること、農地があることの良さをもっと知っていただきたいです。船橋って日本の縮図かのように、なんでもそろっている。この良さを知っていただくことが農業を守ることにもつながると思っています。
 
MF●若い方も多い船橋の農業。今後の船橋のためにも農業を守り、農地のパトロールを日々されていることが良くわかりました。本日はありがとうございました。
 
審査の様子。農業委員や推進委員が実際に現地を訪れる。審査会では所有者や関係者から直接話を聞く
 
東武鉄道船橋駅コンコースで11月に開催された農水産祭「都市農業PR」での即売会の様子
 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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