2023年09月30日 配信

船橋市の災害時の医療体制について

災害時には4医師会が連携し
病院前医療救護所を開設

 大きな災害が起きた場合、一度に多数の傷病者が発生します。普段の診療では1人の傷病者にたくさんの人員と医療資源で対応できますが、災害時では人が足りず、医療資源も不足してしまうことが考えられます。そうなった時に、一人でも多くの傷病者を助ける仕組みを作ることが大事になってきます。

 船橋市では、震度6弱以上の大きな地震が発生した際、市内9カ所の二次救急病院(災害医療協力病院)の前に病院前医療救護所が設置されることになっています。これに伴い、船橋市内の診療所、クリニック(船橋市医師会所属)は休診となります。これまでは避難所となる小学校に救護所を開設することになっていましたが、令和2年4月から、二次救急病院の前に救護所を作る方針に変更されました。

 この病院前医療救護所には近隣の医師、薬剤師、歯科医師、柔道整復師が集まり、トリアージを行います。トリアージとは、多くの傷病者の緊急度や重症度に応じて、治療や搬送の優先順位を決めることです。災害医療にはとても重要なことで、治療優先度は平時と異なり、救命を優先したものになります。

 病院前救護所では、トリアージで重症、中等症を選別後、災害拠点病院や災害医療協力病院へ搬送、軽症とトリアージされた人に応急的な処置を行います。今年9月に開催された「第32回市民とともに考える救急医療シンポジウム」では「知っておくべき災害医療」をテーマに公開講座が開催され、実行委員長の寺田俊昌さんは「災害医療には市民の皆さんの理解と協力が必要。今日講座を聞いた人は、家族や知り合いにも伝えて、より多くの市民に知ってほしい」と呼びかけていました。

災害拠点病院と診療支援の
チーム「DMAT」

 災害派遣医療チーム(DMAT)は、災害の発生後概ね48時間以内に活動を開始できる機動性を持った医療チームで、厚生労働省が認めた専門的な研修を受講することで認定されます。船橋市の災害拠点病院である船橋市医療センターにはDMATがあり、災害時に備えて毎年訓練を行っています。DMATは本部の活動支援、避難所や救護所の医療支援、外部機関との連携が主な任務です。

 船橋のDMATは、令和元年9月の台風15号で被害が深刻だった県南地域に本部支援、同年10月の台風19号では船橋市立医療センターで東葛南部活動拠点本部活動を行うなどの実績もあります。

.       

取材協力

船橋市医師会
会長  寺田俊昌さん
 
 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

スポンサードリンク

MyFunaの最新情報はこちらから
関連キーワード