2022年10月30日 配信

 
学会の公式サイトには「ユマニチュード」について、詳しく掲載されている

「優しい認知症ケア」ともいわれる、ユマニチュードとは

 「ユマニチュード」とは、フランス語で「人間らしさを取り戻す」という意味を持つ造語で、フランスで生まれたケアの技法のこと。日本では「優しい認知症ケア」とも呼ばれている。

 ケアを受けている人に対して「あなたは私にとって大切な存在です」と伝えるための技術が「ユマニチュード」と考えられるほか、4つの柱と5つのケアが組み合わさった技法が特徴となる。

 まず、4つの柱とは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」。ケア時にはこの柱を同時に複数組み合わせて行うことが大切とされ、言語・非言語メッセージを双方向に交わし合うコミュニケーションによって、ケアをする人とケアを受ける人とが良い関係を築くことをケアの目的とする。

 4つの柱に加え、5つのケアも重要とされ、1・自分の来訪を告げ、相手の領域に入って良いと許可を得る「出会いの準備」、2・ケアの合意を得る「ケアの準備」、3・知覚の連結(いわゆるケア)、4・ケアの後で共に良い時間を過ごしたことを振り返る「感情の固定」、5・次のケアを受け入れてもらうための準備「再会の約束」の5つを組み合わせたものが「ユマニチュード」と称されるという。

「ケアする側も優しくなれるユマニチュードを広めたい」

 「『ユマニチュード』の考え方を取り入れると、ケアする人もケアされる人も、みんなが優しくなれるんです」と話すのは、自身の家族の介護をきっかけに、船橋を拠点にユマニチュードを伝える活動もしているNPO法人「千葉・在宅ケア市民ネットワークピュア」の代表・藤田敦子さん。「船橋在宅医療ひまわりネットワーク」の一員でもある藤田さんは、過去にはひまわりネットワークと共催でユマニチュードを広めるためのDVDを使った専門職向けの研修会を開くなどし、「認知症になっても安心して暮らし続けられるまちにしたい」と、活動を続けている。

 日本でユマニチュードが知られるようになったのは、2012年、国立病院機構東京医療センター総合内科医の本田美和子さんが主となり、同院で初の講習会が実施されたことが始まり。その後、「日本ユマニチュード学会」が設立され、今年はその認証制度が制定された。認証制度制定を記念して、現在全国各地でユマニチュードの講座が開講されるなか、船橋では10月29日に中央公民館で研修会が開催されることとなった。オンラインも併用したハイブリッド開催で100人まで参加可能。申込締切日の10月20日を過ぎても、空きがあれば受講可能だという。問合せはメールで受け付けている。

取材協力

NPO法人千葉・在宅ケア
市民ネットワーク ピュア
代表・藤田敦子さん
npo.pure@gmail.com

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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