2022年09月29日 配信


2020年以降は月刊「いのちのことば」の表紙装画と共にエッセイの仕事も担当したり、NOBUKO基金ART第1回「絵と言葉のチカラ」展「芸術新潮」賞受賞など、絵と共に言葉での表現も大切にしながら作品制作を続けている

画家・イラストレーター 石居 麻耶さん

プロフィール
1978年生まれ。小栗原小学校・葛飾中学校を卒業。八千代松陰高等学校を卒業した後、2002年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、安宅賞受賞。2004年には東京藝術大学大学院美術学部デザイン専攻描画造形研究室修了(中島千波研究室)、東京藝術大学大学院美術学部デザイン専攻描画造形研究室修了制作 サロン・ド・プランタン賞を受賞。10/29~11/12には、GallerySuchi(ギャラリー須知/中央区日本橋茅場町2-17-13第二井上ビル2階)で個展を開催。https://www.ishiimaya.com/

難病と向き合いながらも「明日につながる・希望を感じられる」をテーマに描き続ける

 今年春から夏にかけ全国上映され話題となった映画「20歳のソウル」、この原作となった文庫本の装画を担当したのが船橋市出身・在住のクリエイター・石居麻耶さん。

 石居さんは小栗原小学校、葛飾中学校の卒業生。東京藝術大学美術学部デザイン学科に進学、同大学院描画造形研究室を修了し、その後は個展やグループ展などの展覧会、ホームページ、ブログで作品を発表し、現在は本の装画、週刊誌、文芸誌、新聞連載のイラストを担当するなど幅広く活躍する。

 今回「20歳のソウル」の仕事を引き受けた石居さんは2019年に「下垂体性成長ホルモン分泌亢進症」という難病で脳腫瘍の摘出手術を済ませたばかりだった。さらに同じ頃、高校の時の恩師が急逝。「生」や「死」について考えた。作品で大義くんの生き方にふれ、「目に見えるものの価値やお金だけではなく、生きてきた軌跡や作品にこそ『残るもの』があるのだと勇気づけられました」と石居さん。

 それまでの作品は実写に近い手描きの風景を描くことが多かったが、「20歳のソウル」で人物をメインに描いたことで自分の新たな表現の幅にも気が付いた。さらに、手描きの比率が高いこれまでの仕事とは異なり、パソコン処理での処理を多用した手法にチャレンジする転機にもなったという。

 「これまで、どこか負の要素で描いていた部分があった『死』について、この作品を通して前向きにとらえることができるようになりました。一日一日を大切に生きようと考えられるようになったのです」と石居さん。 近々、額装した作品を市に寄贈する予定だともいう。


文庫本の「20歳のソウル」。市船野球部」の甲子園出場以降、書店店頭には「祝市立船橋、甲子園出場決定」帯を付け、神尾楓珠さんの写真をあしらった文庫本が流通している。石居さんの手掛けたイラストの装画は初期に流通した文庫本のもので現在新品で手に入れることが難しくなっている

 

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
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