2022年08月02日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

船橋市果樹園芸組合組合長 石橋義彦(いしばしよしひこ)さん

 
※撮影のためマスクを外しています

青森県平川市(旧南津軽郡)出身。高校まで地元で過ごした。千葉商科大学卒業後、船橋市出身の妻と結婚。約10年間会社勤めをした後、梨農家を営む義父の怪我を機に1989年に就農。「幸水」「豊水」を中心に栽培する「石橋梨園」を運営する傍ら、船橋市果樹園芸組合の研究部部長を2年間務める。2022年5月、同組合・組合長に就任。

1960年から船橋市で梨栽培が盛んになり「船橋市果樹園芸組合」(通称「梨組合」)の前身である研究会が発足、1965年に現在の組合が設立されました。生産技術の向上と船橋の梨のPRを目的として活動しています。5月に組合長に就任した石橋義彦さんにお話を伺いました。

船橋市果樹園芸組合の主な取り組み
・若手生産者の研究会を開催し、講習会、視察、後継者の育成などを積極的に行い、生産技術の向上に努める
・「味自慢コンテスト」「船橋市農水産祭」などのイベントで船橋の梨をPR
・船橋市を通じて多くの福祉施設に「福祉なし」を寄贈

船橋の梨農家を支える「船橋市果樹園芸組合」

MF●「船橋市果樹園芸組合」の役割について教えて下さい。

石橋さん●第一に生産技術向上があげられます。同組合では生産者による「研究部」が栽培方法についての講習会、視察などを行っており、地域ごとの活動が多いですが、具体的には先輩生産者、外部講師などを招いて剪定や花粉の交配などについての講習会、勉強会など様々です。船橋市農業センターとも連携していて同センターの梨畑では病害虫、新種の調査などが行われています。私自身、農業の経験がなく、何もわからないまま義父が営む梨畑を継ぎましたが、研究部に教えてもらい、ここまでやってこられました。研究部が作った手引きは今でも手元に置き、大切な指針です。

減少する梨農家
都市農業への理解を

MF●現在、市内に梨農家は何軒あるのですか?

石橋さん●組合加盟数は108軒です。私が就農した1989年には164軒でした。梨農家は減少する一方で、増えることは考えにくい状況です。梨は収穫までに最低4〜5年はかかり、収益をあげるまでにはそれ以上の年数がかかります。

 また、後継者不足は大きな問題です。次世代へつなぐためにも同じ面積で収入を上げること、収穫した梨を適正価格で販売することなど、安定した収益を維持することは重要な課題となっています。

MF●石橋さんが就農された頃と今ではどのような変化がありますか?

石橋さん●私のいる法典地区は宅地化が進み、農地は激減しています。農地の周りは住宅地となってしまったので栽培方法を変更せざるを得ません。

MF●どのような変更が必要でしたか?

石橋さん●うちでは土づくりに馬糞や牛糞を使っていたこともありますが、匂いの問題で止めざるを得ませんでした。また伐採した幹や枝をチップにして堆肥にしていましたが騒音の問題がありました。今は梨畑の草を緑肥としています。

MF●都市農業ならではの悩みですね。

石橋さん●農薬も必要最低限に抑えているんですよ。

MF●おいしくて安全な梨ができるまでのご苦労がたくさんあるのですね。

石橋さん●船橋市の特徴でもある都市農業の大切さを皆さんには理解していただきたいです。新鮮なものを供給できるのは消費者にとっても大きな利点です。それと農地は緑地の維持も担っているのです。

MF●私たちは消費者として恵まれた環境にいることを知りました。同組合は他にどのような活動をされていますか?

石橋さん●船橋の梨をより多くの市民の皆さんに知ってもらうために、イベントなどでPR活動を行っています。コロナ以前は収穫期に「味自慢コンテスト」を行い、市内の農家で収穫した「豊水」を来場者が試食し、おいしい梨を選んでもらいました。また一般参加型の梨の皮むきコンテストもあり、子どもたちも参加できるイベントで、2019年にはららぽーとTOKYOBAYで盛大に行われました。2022年は9月初旬に東武船橋店で開催予定です。

 例年、船橋市地方卸売市場では「船橋市農水産祭」が行われ、「福祉なし」も長年続けています。

MF●それはどのようなものですか?

石橋さん●1985年から始まり、昨年は市川市農業協同組合と合わせて585㎏の梨を船橋市役所を通じて市内81か所の福祉施設へ寄贈しています。

MF●今年の収穫時期が楽しみです。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。


2019年の「味自慢コンテスト」の様子。2022年は9月初旬に第19回目が東武船橋店で開催予定


1985年から毎年行われている「福祉なし」の贈呈式。福祉施設へ梨の寄贈を続けている

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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