2022年05月04日 配信

地域の福祉を考える 福祉・介護・医療の連携/千葉県精神科救急医療システムの基幹病院


デイケア・訪問看護も行うほか、介護老人保健施設「やすらぎ」も併設

精神科を身近のものに、相談できる場を提供

 昭和28年に創業した総武病院。当時は主に中毒性精神疾患に対応していたが、時代とともに変化し、現在は精神科、神経科を診療科目とし、統合失調症、うつ病などをはじめ、不安障害などのストレス疾患、認知症、発達障害など幅広い精神疾患に対応している。また、一般外来のほか、「もの忘れ」「発達障がい」に関する専門外来も。入院施設も完備し、地域精神医療の中核的役割を担う病院となっている。

 「15歳までは児童精神科になりますので、基本的にはそれ以上の方が対象です。精神疾患は、周りの方が気付くことが多く、家族や職場からの相談も多いです」と話すのは、精神保健福祉士の山﨑健治さん。地域の内科や心療内科などのクリニック、保健所や介護施設、グループホームなどからの相談も多いという。「電話での相談も受け付けていますし、匿名でも大丈夫です。一人で抱え込むのではなく、相談できる人を見つけることが大事。症状に関することや生活のこと、入院費など少しでも気になることがあれば本人でも周りの方でもいつでも相談してほしい」と呼び掛ける。

緊急の場合も連携して対応地域や行政、医療と共に

 同院は千葉県精神科救急医療システムの基幹病院として位置づけられ、平日夜間及び日曜・祝日の日中・夜間に発生した精神疾患の救急患者の診療を行っている。船橋市内での基幹病院は、同院と千葉病院(飯山満町)、当番制となる輪番病院は船橋北病院(金堀町)。下図のように、精神科救急情報センターが診療の要請を電話で受け、その内容などに基づいて受診調整を行い、診療を行う病院を紹介する仕組み。「精神疾患のある方が不安定になるなどして、警察または救急に電話をした場合も、必要に応じて同院などの精神科に連絡が来るようになっています。24時間対応できる体制が整っているので、ぜひ広く知ってほしい」と山﨑さん。

 また、同院では医師・保健師・看護師・公認心理師・精神保健福祉士などによる患者との関わり方や病気の理解を深めるための家族教室、一般市民向けの市民公開講座なども行ってきた(現在はコロナ禍で中止)。「精神疾患は本人の理解ももちろん必要ですが、周りの支える目が何より重要です。精神科を身近なものとして捉え、行政と病院が情報を共有していける体制づくりや介護の現場との連携をより一層図ることが今後重要になってくると思います」とも。


千葉県精神科救急医療システムの図

取材協力

総武病院
精神保健福祉士
山﨑健治さん
TEL047-422-2171

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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