2021年12月27日 配信


グループホーム「ease II」の外観

視覚障がい者が自分らしく生きられる場を

 視覚障がい者向け福祉サービスを提供する「oneself(ワンセルフ)」が、二和東の住宅街に2020年10月、視覚障がい者グループホーム「ease(イーズ)Ⅰ」(二和東6・1・26)を開設、今年12月1日には「easeⅡ」(二和東3・14・22)を開設した。

 代表の飯田大介さんは船橋生まれ船橋育ち。介護系専門学校を卒業後、障がい福祉に21年携わる中で、視覚障がい者が自分らしく生きられる場が少ないと感じていたという。

 建設業や福祉業を担う「森グループ」の中の1社である同社。森グループ内には、自身が視覚障がいを持ち、「船橋市視覚障害者協会」の会長も務める、建設業「森興業」の社長・森哲也さんの存在も、こうした動きに大きな影響を与えている。

 森さんは「視覚障がい者の7割が中途失明者。緑内障や糖尿病などで視力を失う。今まで普通に暮らしていた人たちが障がい者となっても、グループホームや就労施設があれば安心でしょう」と笑顔で話し、飯田さんは「視覚障がいは一番身近な障がい。現在100万人のところ、2030年には200万人に増えると言われています」と話す。

地域や医療と連携し共に支え合える街にしたい

 飯田さんらは、グループホームは「自分らしい生活」を送るためのツールとして考える。1人暮らしを望む人には必要なサポートを提供し、長く住み続けたい人にはリラックスできる生活の場を提供する。

 各居室は6帖。風通しを意識した間取りで、玄関や階段の縁には目印に凹凸のあるテープを貼る。内装については森さんの意見も取り入れ、広いリビングには手すりを付け、家具の配置をわかりやすくする工夫も各所に見られる。

 リビングにはスマートスピーカーを設置し、声に反応し時間やラジオを聞くことができる。床や壁を白くし、家具を濃い色にすることで見やすさに配慮。電子レンジやケトルは視覚障がい者でも使いやすいよう、ボタンに凹凸のあるものを使う。キッチンはあえてガスコンロを設置する。

 「視覚障がい者にはIHのほうが良いように思えるが、実際はガスコンロのような凹凸がないと鍋をどこに置いたらいいのか分かりにくい。それに、今後の1人暮らしを考えると、賃貸はほとんどがガスコンロのため、慣れておく必要がある。ここではスプリンクラーを設置し安心できる場を提供した」と飯田さん。「何事も障がいがあるからできないのではなく、できるようにやり方を工夫すればいい。まずは地域の方にも視覚障がいのことを知ってもらいたい。地域の方、医療との連携を大切にし、誰もが自由に生活し、共に支え合える街作りをしていきます」とも続けた。


スマートスピーカーを備えたリビング。現在利用者を募集中。入居利用については、男性限定、定員6人

取材協力

 

oneself(ワンセルフ)代表・飯田大介さん(右)、船橋市視覚障害者協会会長・森 哲也さん(左)
TEL047-404-2035(easeⅡ)

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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