2021年11月30日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、
船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

京葉地域獣医師会 会長 桑島智さん


※撮影のためマスクを外しています

1965(昭和40)年船橋生まれ。1990(平成2)年麻布大学卒業。東京大学附属動物医療センター外科系研修医を経て、1993(平成5)年くわじま動物病院勤務。2015(平成27)年同病院院長就任。2018(平成30)年京葉地域獣医師会副会長就任、2021年同会長就任。千葉県獣医師会開業部会副部会長。災害時対応プロジェクトチームリーダー。日本獣医師会動物福祉・愛護委員。日本獣医麻酔外科学会・麻酔疼痛管理委員

京葉地域獣医師会は、千葉県船橋市、習志野市、八千代市、鎌ケ谷市の動物病院で構成されています。同会の役割や目指されている活動について、船橋市で明治時代から続く動物病院の4代目、くわじま動物病院の院長であり同獣医師会の会長である桑島智さんに伺いました。

京葉地域獣医師会の取り組み
・「人と動物との調和のとれた共生社会」の実現に向けた取り組み
・災害時におけるペットの保護対策
・飼い主のマナーを育てる

4市にまたがる京葉地域獣医師会

МF●京葉地域獣医師会とはどのような組織でしょうか。

桑島さん●4市の動物病院で構成され、上部組織に千葉県獣医師会、日本獣医師会があります。現在会員数は58人で、58の動物病院が加入していることになります。船橋市がいちばん多く28人、八千代市13人、習志野市が11人、鎌ケ谷市が6人です。

МF●全ての動物病院が加入しているのですか?

桑島さん●全てではないです。今一番懸念しているのが災害時におけるペットの保護についてなのですが、一緒に対策するためにも、京葉地域獣医師会に加入いただいて、情報共有ができればと思っています。

現在多岐にわたり活動 かつて獣医師は家畜、特に馬を診察

МF●主な活動について、教えてください。

桑島さん●同会の中には、学校飼育動物の飼育指導や診療などの社会事業委員会、災害対策を含む獣医事委員会、研修会や技術向上に関する学術委員会、会員親睦委員会、広報委員会、狂犬病予防委員会、総務委員会の7つの委員会があり、会員がいずれかの委員会に入り活動しています。各委員会が頻繁に開かれているので、会員同士顔を合わせ、情報を共有する機会が多いです。

МF●多くの委員会があり、その中にいろいろな活動があるんですね。

桑島さん●そうです。皆さん、獣医師というと、犬や猫のペットを診ているお医者さんという認識の方が多いかと思いますが、活動は多岐にわたっています。

МF●獣医師というと、犬や猫を診られるイメージはあります。

桑島さん●わたしは「くわじま動物病院」の4代目ですが、初代は馬を診ていました。江戸から明治にかけては、獣医はほとんどが交通手段としての馬を診ていたんです。わたしの父の代から小動物を専門に診るようになりました。

МF●獣医師にはそのような歴史があったんですね。

加入動物病院の連携を図り 災害時のペットの保護対策

МF●今最も力を入れていることはなんでしょうか?

桑島さん●やはり昨今頻発している災害に対して、ペットを守るための対策です。東日本大震災を契機に、人だけでなくペットの災害対策も重要視されるようになってきました。「災害時にペットと一緒に逃げてもいいのか」ということは、飼い主にとって最大の関心事だと思います。 環境省や県も、災害時におけるペットの同行避難について対策を進めるように通知を出しています。こうした状況を踏まえ、自治体と連携してペットの同行避難や、災害時のペットの診療体制などについて対応を検討しています。

動物の愛護及び管理に関する条例の改正

桑島さん●船橋市では、「人と動物との調和のとれた共生社会」の実現に向けて、「船橋市動物の愛護及び管理に関する条例」を改正し、令和3年7月1日から施行しました。

 ペットを飼う側のマナーの向上、例えば動物を飼う前に飼い続けられるのか慎重に判断すること、散歩中のふんの除去や飼い猫の屋内飼育、犬猫を10頭以上飼う場合届出が必要になったことなど、守っていただく義務が強化されました。

МF●そうでしたね。私たちもニュースで配信させていただきました。

桑島さん●ペットを飼う側のマナーの向上も大事になってきます。

船橋市役所で展覧会を開催 いっしょに考える機会を

桑島さん●船橋市役所で9月20日から26日まで、「いぬと、ねこと、わたしの防災 いっしょに逃げてもいいのかな?展」を開催しました。災害時、ペットを守るため避難先で起こりうる問題を想定し、普段から一緒に考えることを目的としたものでした。

 本来は講演会などをやりたかったのですが、コロナもありパネル展示だけになりました。

МF●コロナの影響でおうち時間が長くなり、ペットを飼う人が増えているというニュースがありました。ペットは家族同然になりますよね。

桑島さん●ペットは飼い主にとっては家族なので、ペットを飼っている人も飼っていない人もお互いの気持ちを共有して、日常からどういうことができるのかを、共に考えるきっかけになればと思います。

 ペットの飼い主にはマナーを守った行動をとっていただけるように注意喚起し、ペットが嫌いな人にはこのような社会を受け入れていただけるよう、今後も活動していきたいと思っています。

МF●人とペットが共生できる社会ですね。本日はお忙しい中どうもありがとうございました。


2015年総会の様子(写真提供/ 京葉地域獣医師会)


今年9月に市役所や保健センターで動物愛護週間に合わせたパネル展。開催についての「まいふなネット」でのニュース記事はこちらhttps://myfuna.net/archives/townnews/210917

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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