2021年10月01日 配信
市と社会福祉法人が連携して受け入れ体制を構築

 支援が必要な障がい者の家族が新型コロナウイルスに感染し入院した際に備え、現在、その障がい者が在宅での生活が困難になることを見据え、大久保学園(船橋市豊富町690・13)が運営する障がい福祉サービス事業所「とよとみみらい」で、障がい者を受け入れる体制を構築している。

 家族が感染した場合、障がい者はたとえ陰性が確認されてもその後の発症が否定できないため、濃厚接触者となる。しかし、各事業所が単体で感染対策を施して濃厚接触者としての障がい者を受け入れるには、限界がある。

 船橋市は今年4月9日、同学園と「介護者不在障害者支援事業に関する協定書」を締結した。船橋市健康福祉局福祉サービス部障害福祉課の樋口晋也さんによると、大久保学園から今回の話が持ち掛けられたのだという。

 同学園の千日清理事長は、「昨年3月、市の指定管理施設である障がい者支援施設『北総育成園』(香取郡東庄町)で起きた新型コロナウイルスの集団感染が発生したことがきっかけだった。仲間が大変な思いをしているなか、他の事業所から応援職員を派遣することすら難しかった。そんな仲間の状況を目の当たりにして、体制を整えておかなくてはと思ったところ、まだ空き部屋がある一時入居施設があるので、私たちが出せる資源として我々は場所を提供し、マンパワーは市で補ってもらえたらうまく回るのではないかと思った」と話す。

 そこで、今回の申し出には「一時的に受け入れる施設が必要と考えていたので、大変ありがたかった」と樋口さん。感染リスクの高い障がい者を支援するためには、あらかじめ人材面の協力体制を構築することが不可欠と考えたという。

感染症対策研修会の実施や応援要員の登録も募集

 受け入れに当たっては、陽性者への対応と同等の感染症対策を講じ、障害福祉課と市保健所が連携し、従事者に対して防護服の着用方法などをレクチャーする感染症対策研修会を実施した。施設のゾーニングや看護師による健康観察も行う。円滑に受け入れるため、市内各事業所に本事業の趣旨を説明し、現在5法人16人の応援職員が登録している。「幸いにも、まだそのような状況には至っていません」と樋口さん。

 人件費については、従事者の勤務に係る基本給は各事業者が負担。市は2027万3千円の予算を、危険手当や夜勤手当、衛生用品や施設の消毒にかかる費用に充てる予定。事業所との連携により、コロナ禍でも市内の障がいがある人やその家族が安心して暮らせるように取り組んでいくという。


2 年前に開設した短期入所施設「とよとみみらい」

取材協力

船橋市健康福祉局
福祉サービス部障害福祉課
樋口晋也さん
TEL 047-436-2341

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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