2021年10月01日 配信

各専門分野で船橋の街づくりにおける第一線で活躍されているみなさんに、
船橋の街づくりにおいてどのように関わっていらっしゃるのか、直撃インタビュー!

船橋市ソーシャルワーカー連絡協議会 会長塩原 貴子さん


※撮影のためマスクを外しています

船橋市出身。淑徳大学社会福祉学部社会福祉学科卒業。社会福祉士。2001(平成13)年フェルマータ船橋に支援相談員として入職、現在事務長代理。2007(平成19年)介護支援専門員取得。2017(平成29)年船橋市通所リハビリテーション連絡会会長就任。ひまわりネットワーク役員。船橋市地域リハビリテーション協議会委員。2021(令和3)年6月より船橋市ソーシャルワーカー連絡会会長に就任

総会を始め、研修会3回、懇親会など、年に何度か集まり情報交換をしていたという船橋市ソーシャルワーカー連絡協議会ですが、コロナ禍で昨年度は集まることができず、今年は6月にZOOMで総会を開いたそうです。今年度の活動を含め、これから目指す協議会の姿についてなど、伺いました。

船橋市ソーシャルワーカー連絡協議会のこれからの取り組み
・ZOOMを多用してソーシャルワーカー同士だけでなく他機関とも連携を図る
・直接対面できなくても、対人援助の専門職として、さらに関係機関と連携を深めていく
・ジェネラリスト※1として、地域社会で複合的に起きる問題に対応する
「広範囲に渡る知識や経験を持つ人」という意味で、全体を見渡し、客観的な評価ができ、臨機応変な対応ができる人

対人援助の専門職を目指す

МF●ソーシャルワーカー(以下SW)とはどのような存在なのでしょうか

塩原さん●船橋のSWは病院やクリニック、介護老人保健施設(老健)、在宅介護支援センターのケアマネジャー、保健と福祉の総合相談窓口サークルなどに配属されています。困りごとに対応し解決へつなぐ、相談の専門家です。

 過去、病院ではそれまで看護師が担っていた歴史がありますが、今は対人援助の専門職としてわたしたちも関わるようになりました。

МF●みなさん個人なんですね?

塩原さん●病院や施設に所属している会員が多いですが、はい、登録は個人会員になります。中には町の保健室のような、地域で集う場所や子ども食堂のような機能を含めた相談室を立ち上げている方もいます。

МF●現在会員数としては何人いますか?

塩原さん●約140人が協議会に登録していて、相談援助職として業務に当たっています。

スーパービジョンの取り組みやZOOМ会合に挑戦

МF●協議会としてはどのようなことをされているのですか?

塩原さん●昨年はコロナの関係で会って活動はできませんでしたが、それまでは年に数回集まり、意見交換やスーパービジョン研修なども行いました。

МF●スーパービジョンとは?

塩原さん●支援をしていく中で、わたしたちの支援は適切だったのだろうかと悩むこともあります。もっと他に支援の方法や手段はあったのではないか。そこで同じく相談援助をしている仲間から、知識、技術、経験などを豊富に持つ指導者(スーパーバイザー)を立て、助言や指導、評価をするなど、事例検討なども含め検証していくのです。

МF●素晴らしい取り組みですね。

塩原さん●作年は研修では全く集まれず総会も書面で行いました。昨年と少しでも変化、進歩をしていくには今年こそはと、6月に総会をZOOM開催しました。

より想像力をふくらませ家族と患者や利用者をつなぐ

塩原さん●コロナ禍で家族と患者さんや利用者さんが面会できない状況が続いているので、病院では、家族は医者や看護師、SWなどの話から患者さんの様子をイメージするしかなく、実際会った時その変化にびっくりするといったシーンはよく目にしました。

 ほかにも、例えばフェルマータ船橋では病院から来た人をリハビリして、これまでは家屋訪問をして家に帰れるようにしていましたが、今は家屋訪問ができないので、実際の自宅での動きを見て頂くことができないまま帰って頂く。

 家族に家の中の写真を撮ってきてもらい、施設内で同じような環境を作って訓練することも求められます。

МF●直観や想像力が問われますね。

塩原さん●これまでも他市の利用者とは家族に写真を撮ってもらい対応していたので、全くノウハウがなかったわけではなく、経験が生かせている部分もあります。今までイレギュラーだったものが、常識化したということですね。

МF●これまで培ってきたものが基盤にはなっているんですね。

塩原さん●まだ主流ではないですが、ウェブカンファレンスも研修内で試行しています。実際に会話をしながら声質や会話の間などから相手の状態を把握していくのがわたしたちの得意分野なので、ウェブではなかなか真意・本意が汲み取れない場面もあるなぁと感じます。

МF●直接会う良さはコロナ禍で実感しました。でも今後、集まらなくてもできる方法を模索していく必要はありますね。

塩原さん●学会も、これまではその土地に行って発表していましたが、ウェブと現地でも開催するハイブリッド方式が当たり前になるかもしれません。コロナ禍で多くの常識が見直される中、一番援助しなければならない患者さん、利用者さん、その家族とどう関係を築いていけるのか、みんな模索しています。

コロナ禍で万全の対策を施しジェネラリストとして相談に乗る

塩原さん●基本的な感染対策を徹底し、常に自施設、他機関や保健所とも情報交換をして連携しています。

МF●コロナによってやるべきことが増えましたか。

塩原さん●コロナに関係なく、生活の困窮やふさぎがちになる方はいます。ただコロナをきっかけに、些細なトラブルも増え、生活に疲れてしまった方、仕事を失い生活が苦しくなる方もいます。そういった人々を含め、支援していく必要があります。

МF●相談は増えていますか

塩原さん●仕事が不安定になった方。感染が不安でサービスを利用しなくなり心身機能が低下して家での生活が難しくなった方、金銭面の問題など今までとは違う相談内容を感じます。

МF●解決はできるものですか?

塩原さん●制度につなげていきます。自分のところで解決できなければ、ほかの機関、他の人へつなぐのが私たちの仕事です。横のつながりも駆使し、担当エリアにはどんな人がいてどんなコミュニティがあり、どんなサポート体制があるのか、その社会資源を把握し、地域を熟知していることがSWとしての醍醐味です。

 担当地域を専門にし、広く浅く、スペシャリストではなくジェネラリストとして、地域社会で複合的に起きる問題に対応していきます。

МF●本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

※この記事に記載の情報は取材日時点での情報となります。
変更になっている場合もございますので、おでかけの際には公式サイトで最新情報をご確認ください

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